菜箸
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菜箸(さいばし)は、調理用及び食事の取り分け用に使われる箸の一種。食事用の箸に比べてかなり長く、約1.5~2.5倍程度の長さがある。
[編集] 調理用の菜箸
調理の際に、食材をかき混ぜたり、つまむなどの用途に使用する。また皿や椀への盛り付けの際にも使用される。天ぷら、野菜炒め、煮付けなど、火や油・熱湯を使い、食材が高温になる料理に使われることが多いため、耐熱性の問題から、竹製または木製であり、塗りはされていない。また、箸の先に刻みを入れ、食材をつまむ際に滑らないようにしたものも多い。
食事用の箸と異なる点は、吊り下げて乾燥させやすい取り扱いの便と、片方がなくならないように、2本を糸や紐で繋いである。
菜箸が食事用の箸に比べて長い理由は食事用の箸が食卓に置かれた食器や手に持った食器から料理を口に運ぶ距離が短いのに比べて、菜箸は調理中の熱から手先の火傷を予防する目的、調理台や配膳テーブル上の料理を立ちながら利用しやすくするため、料理する者の手ともてなす客が食べる料理との距離を離すこと等の理由による。
日本では、20世紀以降、レトルト食品や冷凍食品の発達により、家庭で調理する機会が減ったことから、菜箸が無い家庭も多いが、さまざまな調理の上で欠くことのできない調理器具であることには変わりなく、調理器具を販売している店で安価に購入できる。
[編集] 取り分け用の菜箸
主に中華料理で、大皿から個人の皿に取り分ける際に使用する。竹製やプラスチック製であることが多い。また、塗りや装飾がされていることも多い。