船舶
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船舶(せんぱく)は、人力・帆走・原動機により主に水上を移動する交通手段である。特殊な用途として水中を移動する潜水艦や潜水艇も含まれる。一般には「船」とも表記される。
用字としては、民生用のフネは「船」、軍事用のフネは「艦」、小型のフネは「艇」または「舟」の字があてられ,それらの総称として「艦船」あるいは「船艇」などの言い方をする場合もある。
船舶の種類(構造)や大きさにもよるが、自動車や航空機に比べ、とくに波による縦揺れも激しいため、酷い乗り物酔いに悩まされることが多い。
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[編集] 目的による分類
- 商船 :商法684条より、商行為をなす目的のため、航海の用に供せられるものとされている。
- 漁船 :漁業に用いる船舶であり、漁船法により規定される。
- 非商船 : 商行為に使用されないものであるが、商法海商編35条よりその準用を受ける。
- 快遊船(プレジャーボート): 趣味のために使用されるもの。
- 軍艦 :軍事用途に用いられる船舶,あるいは軍属の船舶。
- 練習船 :船員になる為に必要な技術や知識を学ぶ船舶。帆船と汽船がある。
[編集] 材質による分類
- 鋼鉄船
- 木造船
- FRP船
- 軽合金船(アルミニウム)
[編集] 構造による分類
[編集] 動力による分類
- 手漕ぎ舟 : 人間の腕力を以って、櫓を用いてこぐもの。ろかい船
- 帆船 : 風の力を帆に受けて動力とするもの。
- 汽帆船 : 風の力と原動機の動力を組み合わせて利用するもの。
- 汽船 : 原動機の動力のみもの。
- 原子力船 : 原子炉を設置した船舶(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律)。
- ディーゼル船:ディーゼル機関によって、プロペラを回す動力を得ている船舶。
- タービン船:蒸気タービンによって、プロペラを回す動力を得ている船舶。主にLNG・LPG船に使用されている。
- モーターボート
[編集] 機関の搭載方法による分類
- 船外機船 : 船尾板(トランサムボード)に船外機を装着したもの。
- 船内外機船 : 機関を船内船尾に備え付けドライブユニットを船外に出すことによるプロペラを回転させる。
- 船内機船 : 機関を船内中央付近に備え付けプロペラシャフトによりプロペラを回転させる。
[編集] 歴史
古代エジプト時代のつぼに船の絵が描かれており、ナイル川では使われていたことがわかっている。ギリシャ時代には、帆走船やガレー船が使われ、帆船は今日でも練習船やヨットなどとして用いられている。16世紀にはガレオン船が登場し、大航海時代をになった。ガレー船は18世紀末まで地中海で、北欧のバルト海では19世紀初頭まで使用された。19世紀に蒸汽船が現れると海運の主役となった。
[編集] 日本船の歴史
飛鳥時代には平底のジャンク船のような箱型構造の船が遣隋使船として用いられた。室町時代の後期から江戸時代初期にかけて安宅船などが、軍船として用いられた。江戸時代の中期には軍船は無用のものとなり、民間商船である菱垣廻船や樽廻船、北前船が用いられた。
[編集] 無資格での操船について
- 船舶を操縦するためには、船舶の種類等に応じてライセンスが必要である。但し、小型船舶の場合は有資格者が同伴していれば、無資格者であっても操船してよいことになっている。また、次の要件を全て満たしていれば免許不要で船舶検査を受けなくても操船できる。
- 登録長が3m未満であること。
- 推進機関が1.5kw未満であること。
- 直ちにプロペラの回転を停止することができる機構を有する船舶でまたは、その他のプロペラによる人の身体の傷害を防止する機構を有する船舶。