自由貿易
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自由貿易(じゆうぼうえき、free trade)は、関税や非関税障壁が無い、あるいは障害にならない程度の状態における貿易のこと。
対義語は保護貿易。
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[編集] 概要
自由貿易の利益は、国際分業(比較優位への特化)によって図られるが、関税などの貿易障壁が高すぎると、貿易の利益は損なわれ利益ある国際分業が起きなくなる。
[編集] 現実経済において
現在は、WTO(世界貿易機関)が、諸国間の取引のルールを定め、より自由貿易に近い状態が実現されるよう努めている。
[編集] 歴史
現在は、歴史的に見ても世界規模で自由貿易が実現されている状態といえるが、自由貿易はさまざまな歴史を経てきている。
19世紀前半、国際分業において工業分野で圧倒的優位を誇ったイギリスは、世界的な自由貿易体制確立に腐心していた。生み出す利益が自国をより優位にすると考えられたためである。
同じく19世紀前半、ドイツにおいては、自由貿易を行わず自国産業を保護すべきだとしてドイツ関税同盟が結ばれた。これは、同盟域内の関税障壁を撤廃し自国産業に優位性を与えるものであるが、域内においては自由貿易が実現されることになる。この自由貿易の利益は、後にドイツが経済的成功を収める基盤の一つになっている。
1930年代、世界恐慌の猛威にさらされた自由貿易圏諸国(欧州、米国、日本など列強とその植民地)は、自国経済圏における需要が貿易によって漏出し、他国経済圏へ流れるのを防ぐため、関税などの貿易障壁を張り巡らした。これはブロック経済と呼ばれる。自由貿易の途絶により、各国の経済回復の足並みがずれて、経済的な不利益が多大に生じた。
20世紀後半、西ヨーロッパでは、諸国同士が経済圏の拡大による利益と安全保障を求めて、貿易障壁撤廃を開始。周辺の英、仏、西独を巻き込んで自由貿易圏を拡大した。これが現在の欧州連合となった。
[編集] 関連項目
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