笠森寺
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笠森寺(かさもりじ)は、千葉県長生郡長南町笠森にある寺院、天台宗別格大本山、坂東三十三箇所の第三十一番札所、山号は大悲山。
延暦3年(784年)に伝教大師最澄上人が楠の霊木で十一面観音菩薩を刻み安置し開基されたといわれる古刹で、古来より巡礼の霊場として知られており、十一面観音像が本尊であることから「笠森観音」とも通称される。
大岩の上にそびえる観音堂は、61本の柱で支えられた四方掛造と呼ばれる構造で、日本で唯一の特異な建築様式であり重要文化財である。長元元年(1028年)に後一条天皇の勅願で建立されたと伝えられているがその後焼失し、現在の建物は解体修理の際発見された墨書銘から文禄年間(1592年-1595年)の再建とされている。観音堂の 75段の階段を上がった回廊からは、四季それぞれに美しい房総の山々が眼下に眺められ、その景観は一見に価する。他にも重要文化財の鋳鋼唐草文釣燈籠など多くの文化財も残されている。
また、笠森寺周辺の森林は、延暦年間の笠森寺草創当時より禁伐林として保護されてきたと伝えられる暖帯林の残存林であり「笠森寺自然林」として国の天然記念物に指定されている。高木層はスダジイを主体とし、多くのシダ類なども見られ、自然が保たれていることからイタチ・アナグマ・リスなどの獣類、フクロウ・コノハヅク・アカゲラ・ハイタカなどの鳥類やヒメハルゼミなどの昆虫類も生息し、関東地方の残存林として特徴的である。
[編集] 文化財
- 重要文化財
- 笠森寺観音堂 1棟、四方懸造、桁行五間、梁間四間、一重、寄棟造、銅板葺、階段及び踊場を含む
- 鋳鋼唐草文釣燈籠 2基
- 天然記念物
- 笠森寺自然林
[編集] 所在地
千葉県長生郡長南町笠森 302
- 交通アクセス