社会技能
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社会技能(しゃかいぎのう)またはソーシャル・スキル(Social skill)とは、社会の中で普通に他人と交わり、共に生活していくために必要な能力の事。心理社会的な能力、ライフスキルといった言い方もする。イギリスでは、小中学校で、PSHE(人格的、社会的健康教育、personal, social and health education)という名前の教科を設定して特にこうした能力の育成を図っている。
WHOでは、こうした能力を「日常生活の中で出会う様々な問題や課題に、自分で、創造的でしかも効果ある対処のできる能力」と定義している。 それには次のような能力が含まれる。
- 意思決定
- 問題解決能力
- 創造力豊かな思考
- クリティカルに考えていく力
- 効果的なコミュニケーション
- 対人関係スキル - 自己開示、質問する能力、聴くこと
- 自己意識
- 共感性
- 情動への対処
- ストレスへの対処
以上のような能力が発揮されるためには、次のような能力がなければならない。
(2)自分の発した言動を相手がどのように受け取るか想像出来る。
(3)自分の考えを、上手に相手に伝える事が出来る。
特に、(2)は心の理論と呼ばれ、多くの人が生まれながらにして持っている能力であり、これが全く出来ない、もしくは過度に苦手であればアスペルガー症候群等広汎性発達障害の可能性がある。
学童期の社会技能ばかりが注目されるが、正常の学習能力を抱えた成人で社会技能のない者は、社会から理解を得る事が困難である。社会技能は、年齢と共に自然に習得されるものであると考えられており、年齢相応の社会技能を獲得していない者がいるなど、想定されていないからである。「面接で見破っていれば、最初から採用しなかった。採用してから発覚したら、直ちに解雇する」とのアメリカのジョークは、社会技能の性質をよく捉えている。
[編集] 関連項目
- ソーシャルスキルトレーニング(SST)
- 接遇