磁気バブル
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磁気バブル(じきバブル)とは、磁性単結晶を特定の結晶方位で切り出した薄膜に存在する、膜面に対し垂直な円柱状磁区のことをいう。
この薄膜の磁化は外部磁界をかけていないとき、上向き磁区と下向き磁区が迷路状に入り乱れたストリップ(ストライプ)磁区を構成している。このストリップ磁区構造に対し垂直上向きの外部磁界を印加すると、上向き磁区の成長が促され帯の幅が広がり、逆に下向き磁区の帯の幅は狭くなっていく。さらに、外部磁界を強めると下向きの帯は連続が断たれ、その長さもそれぞれ短くなり最後には円柱状の1つの磁区となる。この後も外部磁界を強めるに従い、円柱磁区は次第に小さくなるが、ある印加磁界以上となると下向き円柱軸は突然消滅する。(磁区の反転が起こる)この様子があたかも泡が突然つぶれたようなのでこのような円柱磁区を磁気バブルと呼ぶ。
[編集] 磁気バブルメモリ
磁気バブルメモリ(じきバブルメモリ)は、上記の現象を応用した記憶装置である。読み書きが可能な不揮発性の補助記憶装置として使われる。可動部分がなく、振動や塵埃などの影響を受けないのが利点である。ロムカセット状のリムーバブルメディアとして使われる事が多かった。例えば、1981年にシステムズフォーミュレートが発売したBUBCOM80に補助記憶装置として標準装備され、またFM-8では内蔵、FM-11では外付けのオプションで利用できた。
また、業務用ゲーム機などにおいて基板上に直接実装される応用もあった。登場当時は半導体メモリより大容量であり、一定の需要があったが、EPROMやフラッシュメモリなど不揮発性半導体メモリの大容量化やハードディスクの小型化などに伴い、需要は終息する。