石灰硫黄合剤
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石灰硫黄合剤(せっかいいおうごうざい)とは、殺虫作用、殺菌作用を持つ農薬の一種。通常、赤褐色の強い硫黄臭(腐った玉子や硫黄を含む温泉の臭気)のする原液を希釈して利用する。
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[編集] 成分
多硫化カルシウム(CaSx)が主成分。その中の五硫化カルシウム(CaS5)が効果の中心であるとされる。
[編集] 適用
[編集] 注意事項
一般的な農薬とやや性質が異なり、次のような点に注意を要する。
- 強アルカリ性のため皮膚を侵す。皮膚に付着した場合はよく水洗した後、食酢などの弱酸性のものを塗るとよい。眼に入った場合は、よく水洗した後、眼科を受診するべきである。
- 強アルカリ性のため本剤を扱えない噴霧機がある。噴霧機の説明書を確認する必要がある。
- 相当の悪臭がするので散布時間、散布場所に配慮が必要。
- 薬害が出やすいので、説明書をよく読み、希釈濃度や対象植物等を守ること。特に高温時の散布は薬害が出やすい。
- 酸性物質と混合すると有毒ガスの硫化水素を発生するので非常に危険である。
古くからある農薬で、正しく使う限り、安全性は比較的高いとされる。