相模総合補給廠
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相模総合補給廠(さがみそうごうほきゅうしょう)とは、神奈川県相模原市に所在する在日アメリカ陸軍の補給施設である。旧略称はYED(Yokohama Engineering Depot)。
かつては、全世界に展開するアメリカ陸軍が使用した戦車や装甲車などの兵器を補修する整備施設があり、ベトナム戦争ではアメリカ軍にとってなくてはならない重要な施設だった。現在も、アメリカ陸軍の小銃から、糧食、野戦病院セット、各種工作車両に到るまで膨大な物資が常時保管されており、アメリカの世界戦略を支えている施設であることに変わりはない。
また、アメリカ本土の陸軍部隊と陸上自衛隊の共同演習の際に使用する戦車・装甲車などの兵器一式が、以前は「保管」されていた。 アメリカ陸軍のみならず、アメリカ空軍、アメリカ海軍、アメリカ海兵隊の各種物資も常時保管されている。
運用に当たっては、在日アメリカ陸軍司令部があるキャンプ座間、アメリカ陸軍の揚陸施設である横浜ノースドック、極東の輸送ハブである横田飛行場と密接に連携している。
一方で、廃棄物の一時保管場所になっているため、しばしば地元との対立が発生している。1992年には、カドニウムを境川に垂れ流していたことが判明、1999年には、有毒物質であるポリ塩化ビフェニル (PCB、米軍基地で使用されていた米国製・日本製等) を保管していたことが明らかになり、大問題となった。PCBは一度横浜ノースドッグからアメリカ合衆国に搬出されたが、アメリカの港で受け入れを拒否されて横浜ノースドックに戻され、結局ウェーク島に一時保管されることとなった。
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[編集] 概要
- 所在地:神奈川県相模原市矢部新田、上矢部、小山
- 面積:2,143,508m²
- 管理部隊:在日アメリカ陸軍第17地域支援群
- 所属部隊
- 第35補給・業務大隊司令部・・・全世界に4つある陸軍事前集積貯蔵 (APS) のうち「APS−太平洋」を運用する部隊
- 国防再利用販売事務所 (DRMO)
- 米軍極東科学センター
- 国防購買部配送センター (DECA)
- 用途:工場用地
- アメリカ軍人・軍属:約150名(訓練センター完成後は約300名)
- 従業員数:約600名
[編集] 米軍再編における影響について
[編集] 指揮訓練センターの設置
アメリカ軍再編の一環として、アメリカ陸軍はキャンプ座間に第1軍団の新司令部を設置し、同時にアメリカ4軍の統合的指揮を行う戦闘司令部 (UEX) を設置することとなったが、その指揮訓練を行う、コンピューターシミュレーターを備えた指揮訓練センターが相模総合補給廠に設置される予定である。キャンプ座間には、将来的に陸上自衛隊中央即応集団司令部が置かれる予定になっており、当然、これらの施設も日米一体運用の一環として使用する予定である。
[編集] 一部用地の返還
2006年2月、日米両政府は相模総合補給廠を一部返還し、補給廠を南北に縦断する道路を整備することで基本的に合意した。相模補給廠は、相模原市街地を遮る構造になっており、市内交通の迂回を余儀なくされ、渋滞が発生するなどして地元から返還要求が出されていた。
計画では、小田急電鉄多摩線を延伸させるとともに、鉄道と平行に道路を建設する予定で、これが開通すると、東京都町田市から国道16号へのアクセスが大幅に改善することが期待される。
また、JR東日本横浜線相模原駅北口前にある住宅用地が、相模原住宅地区に統合され、返還されることになり、相模原駅前の再開発が期待される。
[編集] 関連項目
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