白馬鑓温泉
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白馬鑓温泉(はくばやりおんせん)は、長野県北安曇郡白馬村北城 字白馬山国有林(旧国信濃国)にある温泉。白馬鑓ヶ岳中腹の標高2100メートル地点にある、登山者だけが行ける温泉である。猿倉を起点とした大雪渓~白馬三山(白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳)~白馬鑓温泉の登山コースは、登山初心者に人気がある。「白馬岳」の読みは正式には「しろうまだけ」なので、「しろうまやりおんせん」と読む人もいるが、山小屋としての正式な読みは「はくばやりおんせんごや」であり、温泉の正式な読みも「はくばやりおんせん」とすべきである。なお、「白馬」の読みについての詳細は白馬岳の項を参照されたい。以前は「日本最高所の温泉」を名乗っていた時期もあったが、立山のみくりが池温泉や八ヶ岳の本沢温泉などのほうが標高が高く、最近はそのような表示はしていない。
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[編集] アクセス
- 鉄道 : 東日本旅客鉄道(JR東日本)大糸線白馬駅より松本電鉄バス猿倉線で約30分の終点猿倉下車。猿倉から小日向のコル経由の登山道を徒歩で4~5時間。登山道の途中には、夏の遅くまで数ヶ所の雪渓が残っており、雪渓上の落石には十分注意が必要である。そのため、登山経験者か経験者に引率された場合でない限り、当温泉の訪問は勧めることができない。
[編集] 泉質
- 含重炭酸土類硫黄泉
[編集] 温泉街
山小屋である「白馬鑓温泉小屋」だけが季節営業している一軒宿の秘湯。温泉街は存在しない。例年7月上旬~9月下旬だけの営業で、期間外は閉鎖され、建物は雪崩を避けるために解体される。毎年6月下旬から小屋の組み立てを行っている。組み立て・解体が容易な構造のため、簡素な造りの山小屋である。自家発電の温泉山小屋のため、21時以降は消灯となる。 「白馬鑓温泉小屋」は山小屋であるため、部屋が相部屋であることや、食事が質素であるなどの点を理解して宿泊する必要がある。また、最混雑期は1つのふとんに2人で寝るほど混雑することがあるので、山小屋の宿泊に不慣れな人は閑散期に訪問すべきである。 みやげ物としては、山小屋の売店に「白馬鑓温泉」ロゴ入りのタオルやTシャツ等がある。
[編集] 浴場
内湯は存在せず、露天風呂だけがある。露天風呂は開放感のある混浴露天風呂と、回りを壁で囲まれた女性専用露天風呂がある。混浴露天風呂は眺望が素晴らしく、好天ならば日の出の時間に入浴し、湯船につかりながらご来光(日の出)を望むこともできる。ただし、小屋のすぐ前に位置し遮るものが何もないために、小屋の前を通る登山道を通行する人から丸見えである。お湯は小屋の横の巨大な岩の割れ目から湧き出している。なお、立ち寄り入浴(有料)も可能であり、近年は足湯(無料)も新設されている。 夜、消灯時間以降に露天風呂に入るには懐中電灯が必要となる。天候が良ければ満天の星が望める。ただ、山小屋は翌朝の行動のために早く眠る人が多く、混雑時は相部屋の他の人のためにも、消灯時間以降の入浴は静かに行うべきである。
[編集] 歴史
江戸時代から猟師や樵の間に知られていた温泉であるが、人里を遠く離れた山上の温泉のため、一般の利用は長らく行われなかった。1876年(明治9年)には麓に引湯する工事が行われたが、雪崩により多くの犠牲者を出したことにより中止される。その後、大正期にこの地に山小屋が建設されるが、1928年(昭和3年)に白馬岳山頂直下の白馬小屋(現在の白馬山荘)を営む白馬館による山小屋経営が始まる。近年にも麓への引湯が試みられたが、技術的理由により断念され、新たなボーリングにより生まれた温泉が白馬八方温泉である。