症候学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
症候学(しょうこうがく)とは医学の一分野で、患者の示す様々な訴えや診察所見(あわせて症候)を定義・分類して意味づけを与える方法論である。診察結果は症候学的な枠組みによってカルテに記載され、診断の手がかりとなる。
医療情報に関する注意:ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。免責事項もお読みください。 |
また、これら身体所見を得るための全身的な診察の手法も症候学の範疇である。それは単に診察の手技だけでなく、わかっている情報から診断を絞り込むために必要な診察事項を選択する過程までを含むものである。
目次 |
[編集] 主な症候
[編集] 全身
[編集] 皮膚・粘膜
- 紅斑
- 紫斑 - 膨疹 - 鱗屑 - 落屑 - 水疱 - 膿疱
- ゴットロン徴候(Gottron徴候、Gottron sign)
- ゴットロン徴候(ごっとろんちょうこう)は、手指の関節背面などに落屑を伴う比較的境界明瞭な隆起した暗赤色紅斑。
- 鑑別疾患
- 多発性筋炎 - 皮膚筋炎
- 潰瘍 - アフタ
- 線状出血(splinter hemorrhage)
- 線状出血(せんじょうしゅっけつ)は、爪の内側に線状の出血が見られること。
- 鑑別疾患
- 皮膚瘙痒感
[編集] 頭頚部
[編集] 頭頚部全体
頭痛....慢性頭痛としては片頭痛, 緊張型頭痛, 群発頭痛, 混合型頭痛がある。症候としてはくも膜下出血、脳腫瘍、脳出血などでみられる。 失神 - めまい - 痴呆 頸静脈怒張=Juglar vein distention ... 心臓への還流障害(心不全や上大静脈症候群など)の際に認められることがある。
[編集] 耳
[編集] 目
[編集] 鼻
- 鼻漏 - 鼻閉 - 鼻出血
[編集] 口
[編集] 喉
[編集] 首
- 甲状腺肥大
- 項部硬直
[編集] 顎
- 下顎突出
- 鑑別疾患
[編集] 顔貌
- 円形顔貌
- 鑑別疾患
- 偽性副甲状腺機能低下症
- 鑑別疾患
- 満月様顔貌(ムーンフェイス)
- 鑑別疾患
- ガーゴイル様顔貌
- 鑑別疾患
- ハーラー症候群
- 鑑別疾患
- 仮面様顔貌
- 仮面様顔貌は、お面の様に表情が見えにくくなった顔の事。
- 鑑別疾患
- 人形様顔貌
- 鑑別疾患
- 糖原病I型
- 鑑別疾患
- 斧様顔貌
- 鑑別疾患
- 筋強直性ジストロフィー
- 鑑別疾患
[編集] 胸部
- 病的呼吸
- 呼吸困難
- クスマウル大呼吸
- クスマウル大呼吸(くすまうるだいこきゅう、Kussmaul大呼吸)とは代謝性アシドーシス時に見られる大きな呼吸。
- 病態
- 代謝性アシドーシスが起こると生体のホメオスタシスは呼吸性アルカローシスによって補完しようとする。呼吸性アルカローシスを起こすためには、大きく深い呼吸を行って血中二酸化炭素を吐き出せばよい。
- 胸痛 - 動悸 - 喀痰 - 喀血
- 乳糜胸(乳糜胸水)
- 乳糜胸(にゅうびきょう)は、リンパ管が破れてリンパ液が胸腔に溜まること。
- 膿胸
- 漏斗胸 - 鳩胸
- 女性化乳房
- 呼吸雑音
- ラ音 - 捻髪音 - 喘鳴
- 心雑音
- I音 - II音 - III音 - IV音 - 拡張期雑音 - 収縮期雑音
- 咳(咳嗽)
- 乾性咳嗽
- 乾性咳嗽(かんせいがいそう)は、乾いた咳。
- 湿性咳嗽
- 湿性咳嗽(しっせいがいそう)は、啖が絡む咳。
- 痙攣性咳嗽(けいれんせいがいそう)
- 鑑別 : 百日咳に特徴的。
- 犬吠様咳嗽
- 犬吠様咳嗽(けんはいようがいそう)は、犬が吠える様な咳。
- 鑑別 : 咽頭病変を疑う。
- 乾性咳嗽
[編集] 腹部
- 食欲不振 - 嘔気 - 嘔吐 - 腹部膨満 - 吐血
- 便秘 - 下痢 - 渋り腹 - 血便 - 黒色便
- 頻尿 - 乏尿 - 血尿 - 蛋白尿 - 低張尿 - 高張尿
- 腹痛
- 心窩部痛 - 疝痛
- 筋性防御 - 反動痛 - ブリュンベルク徴候
- 鼓音 - 金属音 - ダンス徴候
- 肝腫大 - 脾腫 - マーフィー徴候
- 紫斑: カレン徴候 - グレイ・ターナー徴候
[編集] 四肢
- 登攀性起立(ゴーワーズ徴候、Gowers sign)
- 登攀性起立(とうはんせいきりつ)は、山を登るように立つこと。
- 間欠性跛行
- 間欠性跛行(かんけつせいはこう)は、休み休みでないと歩けないが、休めばすぐ回復し、歩き出すとまた症状が出て歩けなくなる事。
- 鑑別
- 血管性 : 閉塞性動脈硬化症、等
- 腰椎性 :
- 浮腫 (edema)
- 静脈瘤 (varix)
- チアノーゼ (cyanosis)
[編集] 生殖器
- 不整性器出血
- 硬結
- 陰嚢腫大
- 排尿時痛
- 腫瘍
- 潰瘍
[編集] 精神
- 譫妄(せんもう)
- 昏睡 (=coma)
- 幻覚
- 幻聴
- 妄想
- 抑鬱(よくうつ) (=depression)
- 躁状態
- 認知症(以前は[痴呆]とされていたが、用語の変更が行われた) (=dementia)
- 見当識障害
- 記銘力低下
[編集] 血液
- アシドーシス - アルカローシス
- 高尿酸血症 - 高ピルビン酸血症 - 高脂血症
- 塩基過剰(base excess、BE)
- 塩基過剰(えんきかじょう、以下BE)は、アルケミアを補正するのに必要な酸の量。
- 意義
- BE+幾つでアルケミアを意味して補正に必要な酸の量を表し、BE-幾つでアシデミアを意味して補正に必要な塩基の量を表す。
- 汎血球減少
カテゴリ: 医学関連のスタブ項目 | 症候