王室カナダ騎馬警察
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王室カナダ騎馬警察(英Royal Canadian Mounted Police、略称RCMP、フランス語Gendarmerie royale du Canada、略称GRC)(以下RCMPと呼ぶ)はカナダの国家警察であり、連邦政府の警察である。
カナダにはそれぞれの地域の政体にあわせて、簡単に分けると、連邦、州、大都市圏(または市町村)の三層の警察力が存在する。RCMPはそのうち最高レベルの連邦レベルの警察であり、地域によっては州または市町村レベルの警察サービスも提供している。カナダ最大の警察組織であり、2004年現在、約22,000人が勤務している。本部はオンタリオ州・オタワ。
RCMPはその赤い制服(チュニック、Tunic)とつばのひろいとんがり帽子(ステットソン帽)で大変有名である。近年通常業務において、必ずしも馬は使われてはいない。式典等において、音楽隊の演奏に合わせて騎馬行進をする「ミュージカル・ライド」が有名である。
1873年にカナダの初代首相ジョン・A・マクドナルドによって、カナダ西部(現在のアルバータ州とサスカチュワン州の地域)にRCMPの前身である北西騎馬警察(North-West Mounted Police)が設立された。1920年に自治領警察(Dominion Police)と合併し、RCMPと改称。
連邦警察という意味ではアメリカの連邦捜査局(FBI)と似た組織だが、カナダにおいてはむしろ凶悪犯罪に立ち向かうというより、荒野と文明のバランスの象徴といった意味合いが強いとも言われる。アメリカでは開拓時代は無法地帯と言われた西部が象徴的だが、カナダではむしろ開拓時代であってもこのRCMPが法と秩序を守ったと言われるところからその印象が強い。
但し冷戦時代においては、FBIと協力しアメリカからの兵役忌避者の捜索に協力したり、ケベック独立運動が激しくなった1970年代にはケベック党の文書を盗むなど、情報機関のような役割を果たしたこともある。公式にはそのような諜報業務などは現在カナダ安全情報局(Canadian Security Intelligence Service、CSIS)へ移管され、RCMPはそのような責務は持っていないとされている。
赤い制服が美しいRCMPはカナダ文化の象徴として様々な観点からとらえられている。カナダ国民からは親しみを持って「マウンティー(Mountie)」と呼ばれている。騎馬警官をデザインしたTシャツやぬいぐるみがたくさんお土産として売られている。また、特に映画などではカナダの象徴として登場することが多い。最近の例では「ダイハード3」で、犯人がアメリカから逃亡した際にRCMPに追われ、カナダに入国したことを示唆するシーンなどがあった。また「騎馬警官(Due South)」というTVドラマではシカゴを舞台に米加両国の警察が協力する話だった。
[編集] 外部リンク
- RCMP公式サイト (英語、仏語)
- RCMP博物館 (英語、仏語)
- 在日カナダ大使館サイト(RCMP紹介) (日本語)
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