漂流幹線000
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漂流幹線000(ひょうりゅうかんせんぜろぜろぜろ)は、松本零士による漫画。
銀河鉄道999の後継作品として、少年画報社の週刊少年キングに掲載された。アニメを含めたメディアミックス展開はされていない。
コミックスは少年画報社「ヒットコミックス」から新書版サイズで刊行。全4巻。後にコミック復刻ブームにのって大都社、後に扶桑社からそれぞれワイドサイズ版全2巻で刊行されたが、いずれも絶版となっている。
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[編集] 解説
東京都郊外に住む中学生、大山大。彼は病弱な両親と、その教育方針から、実家を出、叔父夫婦の家で生活しつつ、中学生の身で数々のアルバイトをしながら学費、生活費を得るという苛酷な生活をしていた。
そんなある日、大は空中を走る列車から投げ出され、落ちる夢を見た。その車窓から大の名前を繰り返し呼ぶ声の主は、自分の担任教師そっくりだった。
その翌日の土曜日、普通に隣駅まで電車に乗り登校した大だったが、その帰路、帰りの電車に乗ろうとすると、なぜか見たこともないような超近代的なホームへと降りてしまう。
そこにやってきた、13時13分発特急「000」。大は単に「空いている電車」と勘違いし、軽い気持ちで乗り込んでしまう。
だがそれは、大を不思議な世界へと導くミステリー列車だった!!
[編集] 登場人物
- 大山大
- 突然、漂流幹線のホームへと迷い込んでしまい、以来、毎週土曜日になると「000」に乗ることになる少年。両親のスパルタンな教育方針に従い、叔父夫婦の家で生活しながら、中学生の身で1日に数件以上のアルバイトをこなし、自らの学費と生活費を稼いでいる。そのハードスケジュールの為、学校では寝てばかりだが、担任の平田静子からはお目こぼしを受けている。不思議な現象に最初は戸惑っていたが、後に気を抜いて楽しむようになったが、彼の身に陰謀の影が迫ることに……
- 小柄な中学生で、外観は「999」の星野鉄郎に似ている(ただし鉄郎は10歳)。生活状況の割には気が小さかったりする。ただ正義感は強く、時間停止都市でベランダから落下しかけた赤ん坊を見殺しに出来ず、自分の衣服をクッション代わりにするため置いてきてしまったり、怪鳥と素手でやりあったこともあった。ちなみに姓はコスモドラグゥーンの開発者大山トチローと同じ。
- 平田静子
- 大のクラスの担任。一見、はっとするような美女なのだが、怒らせると……始業時刻を過ぎても着席せず騒いでいる生徒達に対し、大声で一喝、黙らせるという豪胆な性格の持ち主。ただしその際、片足で教卓を踏みつけガーターベルト装着のスカートの中身を見せてしまったり、場合によっては半裸姿まで生徒達に見せてしまう上、そこに通りかかった校長先生を卒倒させ2度も病院送りにし、問題教師とされている。一方でその脱ぎっぷりと容姿のよさから男子生徒、及び父兄にまで絶大な支持を受けており、彼らは職員会議で彼女の問題を取り上げようとすると、「平田先生クビ即刻全校非行化」などとプラカードを掲げた団体抗議行動に持ち込んで封殺してしまう(恐らく教育委員会も)。また酒が大好きで、缶ビールを紐で数珠繋ぎにして持ち歩いているシーンが彼女の印象として定着してしまった。多少飲酒するとかえって思考が冴える場合もあるが……
- 大の困惑を解消する為に当初は確信犯の不正乗車で正体不明の「000」に乗り込んだ。後に有資格者となり、大ほど頻繁にではないが同行する。
- 問題行動は多いものの教育熱心で、逆に優秀な教師とも言える。若干無鉄砲な事も起こすが本来正義感は強い。ただし泥酔した場合はこの限りではなく、オヤジギャグを飛ばした挙句他人に絡む。
- メーテルの正反対を行く、松本零士の美女キャラのもう1つの代表格。
- メイビス
- 「000」に乗った大の前に、「大専門のガイド」を名乗って現れた美女。容姿は平田先生そっくりで、本人は平田先生の姉妹だと言うが、平田先生にはそんな姉妹はいないと言い、本作最初の大きな謎となった。性格は平田先生と対照的……のはずだったのだが……
- 連載第1回では大に「私は影のようなものだから、あなたの身は守れない。自分の身は自分で守ってもらうしかない」と言っておきながら、実際には大や静子が窮地に陥るたびにかなり過激な行動まで平然とやってのけた。これは漂流幹線に関係する者にとっては問題のある行動らしく、やっぱり平田先生の血縁なのかも……
- メイビク
- メイビスの妹。大が2回目に「000」に乗った際、車販要員として乗り込んでいたが、大の顔を見て突然取り乱してしまった。まだ不慣れで自分の感情を押さえ込む事が出来ないでいる。ただし性格そのものはおとなしく、年相応の少女といった雰囲気を身にまとっている。以降、大の乗る予定の列車には必ず乗務している。
- メイビクは担当する列車の車販に「清酒 悪酔」(せいしゅわるよい)というワンカップ日本酒をリストに加えている。これが平田先生のお気に入りに。しかし、本来酒に強い平田先生がこれを飲むと2杯ぐらいで泥酔状態に陥る。仕事の都合で「000」に乗り込めないときは大に代理購入させている(当時は問題なかった。現在は違法)。ちなみに一般人がこの酒を見ても、どういうわけか酒がどうか判断できなくなってしまう。
- 車掌さん
- 「999」の車掌さんをスマートにしたような、正体不明の車掌さん。当時の国鉄新幹線風の白い制服を着込み、淡々と職務をこなす、これまた「999」とは対照的なスマートなキャラクター……だったはずが、酔った平田先生の不正乗車を咎めたのが運のつき、ズタボロにされた。以降急速にギャグキャラじみていく。予断だが、「999」の車掌さんも当初そういうキャラで、車内で暴れる無法客を平然と宇宙空間へ放り出したこともあった。
[編集] メディアの000
「漂流幹線000」は前述の通りアニメ、CDドラマ等のメディア展開はなされていない。
2001年にバンプレストから発売されたプレイステーション用ゲームソフト「松本零士999~Story of Galaxy Express 999」に、平田静子がゲスト出演している(声:冬馬由美)。000と999が並ぶシーンも実現した。
[編集] 関連項目
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