深名線 (ジェイ・アール北海道バス)
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深名線(しんめいせん)は、ジェイ・アール北海道バスが運行するバス路線の1路線である。
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[編集] 概要
代替輸送道路未整備を理由に、特定地方交通線なみの乗車率でありながら長い間廃止を免れていたJR深名線が1995年9月4日を以って廃止され、この代替輸送をジェイ・アール北海道バス(当時は「JR北海道バス」)が運行することになり路線が新設された。国鉄再建法では廃止に伴う優遇措置やJRが代替輸送を担うことが出来ないなどの制約があったが、この時点では既に法律が失効しており、地元との鉄道廃止協議においても、後の代替輸送についてJR北海道が責任を持って担うことが合意事項とされていた。
そして発足した当路線は、鉄道時代より運行本数を増やして利便を図るなどしたが、沿線の過疎化はさらに進行しており、バス輸送になって赤字額は圧縮できたものの、収益が好転することはなかった。2002年2月に初めて減便に踏み切ったほか、同年12月からは深名線の運行を担当していた深川営業所を道北バスに管理委託した。依然利用者は少ないが、利用者1人当たりの乗車距離が長いということもあって容易に事業縮小できない理由もあり、今後の動きについて決して楽観することはできない。
路線は廃止代替ということもあり、現在でも鉄道(JR北海道に限る)の連絡運輸路線であり、当線を挟んだ通過連絡乗車券が可能である。なお、乗務員は道北バス社員だが、路線・施設・車両はジェイ・アール北海道バスである。乗車券、回数券、定期券はジェイ・アール北海道バスのみ有効。道北バスの乗車券類は使用できない。
全便が幌加内で系統分割されており、深川~幌加内が1日7往復、幌加内~名寄が1日4往復(土曜・休日は3往復に減便)、他に幌加内~朱鞠内が1日1.5往復(土曜・休日は朱鞠内→幌加内1便のみ)、多度志→深川1便(土曜・休日・高校長期休暇間運休、代わりに同時間快速として運転している幌加内→深川便が普通便として運転)が運転されている。深川~幌加内の系統は、深川~多度志間の各停留所に停車する普通便と無停車(円山を経由しない)の快速便がある。
- 所要時間
- 深川~幌加内:約1時間20分
- 幌加内~朱鞠内:約50分
- 朱鞠内~名寄:約1時間
- 運行系統
- 深川~(この間無停車)~多度志~幌加内(快速便)
- 深川~達布~上多度志~多度志~幌加内
- 深川~丸山公園~上多度志~多度志~幌加内
- 多度志→円山→深川(朝1便のみ)
- 幌加内~朱鞠内~三股~母子里~名寄
- 幌加内~朱鞠内~三股~湖畔~三股~母子里~名寄(夏季)
- 深川~深川営業所(冬季のみ)
[編集] 沿革
- 1992年 道道688号名寄遠別線、名母トンネル開通。
- 深名線廃止代替輸送道路が整備された。
- 1995年5月17日 「JR深名線問題対策協議会」で鉄道廃止、バス転換が合意される。
- 1995年9月3日 JR深名線運行最終日。
- 1995年9月4日 JRバス深名線開業、北海道旅客鉄道自動車事業部・深川自動車営業所開設。
- 深川~名寄、深川~円山~(曙町)、多度志~上多度志、中多度志~(旧多度志駅)~多度志、幌加内峠下~下幌加内会館前~新成生三叉路、朱鞠内~三股、開業。
- 1996年4月28日 三股~湖畔(季節運行)、開業。
- 1998年4月1日 幌加内停留所が移転、ダイヤ改正および幌加内地区の路線変更。
- 接続停留所が旧幌加内駅からコミュニティセンターに変更。(旧)幌加内は、JR車庫前に改称。(新)幌加内(コミュニティセンター)は、バスターミナル・町商工会・幌加内そばの店・深名線資料室等がある。
- 幌加内地区の経路は、下幌市街経由と沼牛小学校経由があったが、この改正で一本化。
- (旧経路1、下幌市街経由)幌加内峠下~下幌加内会館前~下幌加内~(沼牛駅入口)~新成生三叉路
- (旧経路2、沼牛小学校経由)幌加内峠下~下幌加内会館前~沼牛小学校前~新成生~新成生三叉路
- (新経路)幌加内峠下~(沼牛駅入口)~下幌加内~下幌加内会館前~沼牛小学校前~新成生~新成生三叉路
- 幌加内峠下~(沼牛駅入口)、開業。幌加内峠下~下幌加内会館前、(沼牛駅入口)~新成生三叉路、廃止。
- 1998年頃 停留所名改称。
- 石橋→中多度志
- 1999年11月1日 ジェイ・アール北海道バス設立。
- 2000年4月1日 ジェイ・アール北海道バス営業開始、ジェイ・アール北海道バス深川営業所に改組。
- 2000年7月1日 深川営業所~母子里で荷物営業開始。
- 2001年4月25日 円山~多度志、経路変更。
- 円山~上多度志、開業。円山~(曙町)、中多度志→(旧多度志駅)→多度志(片道1本)、廃止。
- 道道875号多度志一已線の多度志トンネル開通に伴い、円山~上多度志の運行が可能となる。これにより、普通便は円山~上多度志を運行し、多度志~上多度志の往復運行を解消、並びに朝1本だけ運行していた上多度志始発便の旧多度志駅廻りを、現在の多度志始発深川行きに変更した。
- 2001年6月1日 多度志、政和、北母子里、西名寄の無線中継局廃止。
- 2001年12月1日 深川~深川営業所前、臨時路線新設。
- 深川駅~深川東商業高校前~深川西高校前~深川営業所前、開業(4.7km)。
- 12月1日~3月31日の冬季期間中、深川駅から市内2高校への通学用臨時バスを運転、一般利用可。全便登校日のみ運行。運賃は100円、現金のみ取扱。
- 2002年2月1日 ダイヤ改正。
- 運行本数11便削減。1995年にバス代替運行を始めてから、初めての減便ダイヤ。
- 削減されたのは快速便とそれに接続する幌加内~朱鞠内・名寄便で、普通便は時刻変更のみ。
- 運行本数11便削減。1995年にバス代替運行を始めてから、初めての減便ダイヤ。
- 2002年6月1日 幌加内地区の経路変更。
- 幌加内~幌加内小学校前開業。
- 幌加内~JR車庫前~幌加内小学校前廃止。JR車庫前停留所廃止。
- 2002年7月 朱鞠内コミュニティ公園完成。
- 朱鞠内駅跡地を公園、地区センターおよびバス待合所として整備された。
- 2002年12月1日 運行管理を道北バスに委託。および停留所新設。
- 運行管理の委託先は、本来別のバス会社の予定だったのが直前で破棄となり、結果道北バスに決定した。また、深川営業所所属のジェイ・アール北海道バス社員は道北バスへ出向となっている。
- 停留所新設。深川市役所通(深川~五番通)、多度志神社前(中多度志~多度志)
- 2003年4月1日 ダイヤ改正。丸山公園経由新設。
- 深川市役所通~丸山公園前~達府、開業。
- 丸山公園前を経由する便は、幌加内15:04発と深川20:10発の1日1往復。
- 停留所新設。丸山公園前(深川市役所通~達府)
- 2003年12月1日 ダイヤ改正。
- 停留所新設。大師(深川市役所通~五番通・丸山公園前)
- 2004年4月1日 ダイヤ改正。
- 停留所新設。一已7丁目(深川市役所通~大師)
- 2004年12月1日 深川営業所前~幌加内で荷物営業再開。
[編集] 停留所一覧
(全停留所)
- 深川~幌加内
- 深川駅 - 深川市役所通 - 一已7丁目 - 大師 - 五番通 - (丸山公園前)- 達府 - 円山 - 上多度志 - 中多度志 - 多度志神社前 - 多度志 - 弥栄 - 屈狩橋 - 下宇摩 - 宇摩公民館前 - 上宇摩 - 幌成 - 上幌成 - 鷹泊 - 鷹泊自然公園入口 - 幌加内峠下 - 下幌加内 - 下幌加内会館前 - 沼牛小学校前 - 新成生 - 新成生三叉路 - 平和 - 幌加内高校前 - 幌加内
- 幌加内~名寄
- 幌加内 - 幌加内小学校前 - 振興 - 上幌加内 - 雨煙別 - ルオント前 - 政和 - 政和第三 - 政和8線 - 新富 - 添牛内郵便局前 - 添牛内小学校前 - 大曲 - 共栄 - 朱鞠内小学校前 - 朱鞠内 - エンジン橋 - 母子里(もしり) - 牧場前 - 日塔宅前 - 北川宅前 - 天塩弥生 - ライスセンター前 - 稲川商店前 - 市立病院前 - 西3条南6丁目 - 名寄駅
- 朱鞠内~湖畔
- 朱鞠内 - まどか前 - 三股 - 湖畔
- ※湖畔停乗り入れは夏季のみ。
- 深川~深川営業所前(冬季のみ運行)
- 深川駅 - 深川東商業高校前 - 深川西高校前 - 深川営業所前
[編集] 乗車券
- 深川駅…普通乗車券、定期券、回数券を発売。
- 幌加内…バス待合所内商工会事務所で回数券を発売。
- 名寄駅…普通乗車券、定期券、回数券を発売。
- ジェイ・アールバスカードは利用できないため、紙製の金額式回数券を駅または委託発売所、車内で発売している。
- 深名線内の連絡乗車券発売区間には制限がある。深川、幌加内、湖畔、母子里、名寄のみ。また深名線を挟んだ通過連絡運輸乗車券はJR北海道内でのみ発行。
- 北海道フリーパスでの利用が可能。