泉パークタウン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
泉パークタウン(いずみ - )は宮城県仙台市泉区の丘陵地帯にあるニュータウン。三菱地所が単独(子会社含む)で手がけており、一つの民間企業が単独で手がけるものの中は日本最大規模の複合開発事業である。
目次 |
[編集] 概要
- 総開発面積1,070ha
- 計画人口50,000人
昭和40年代、仙台市(当時)の慢性的な人口集中により住宅地不足が問題になっていたため、その緩和として当時仙台のベッドタウンとして急速に発展していた泉町(昭和45年に泉市)の丘陵地に計画された。この計画は大手不動産会社の三菱地所の事業として計画され、当時主流だった単に新興住宅地を建設して大都市の住宅供給を行うという趣旨ではなく、最先端の工業団地やゴルフ場、スポーツ施設、大規模商業地区、大学等がある一つの完結した都市を作ることを目的として始まった。事業期間は1969年(昭和44年)からで、1974年(昭和49年)から高森地区の入居を開始した。 現在、根白石地区に計画されている第6住区の開発が残っているが、それ以外は整備が完了している。開発されて30余年が経つが、自然と都市が融合し、年月を感じさせない街並みが今も人気である。仙台を代表する新興住宅地として高評価されているが、都市景観の保全という観点から商店の進出が大幅に規制され、コンビニエンスストアや商店は非常に少ない。また、アパートを建てる事ができないため、学生、単身赴任などの短期滞在者がここに住むことは難しい。
分譲から30年以上経過しており、第1期分譲地区である高森地区は住民の少子化、高齢化が著しい。最初に開校した高森小学校は1984年に1084名を数えたが、のちに寺岡小学校、高森東小学校に分離、その後の児童数は減り続けており、2005年現在児童数195名、各学年1クラスしかない。2006年9月、仙台市は高森小学校と高森東小学校の統合する答申を出す。これによりいずれかの小学校に統合されるため、泉パークタウンにおいて小学校の廃校が現実味を帯びてきている。
定住型住宅地なので、一度建てると住民の転出入は少ないため、学校を建設しても一時期においてはマンモス校になるが、その後は減少の一途をたどる。これは、仙台市内の他の住宅地でも同じように見られる傾向である。
[編集] 構成地域
高森・桂・寺岡・紫山から成る「住居ゾーン」のほか、中心部に計画されている「タウンセンター」、ゴルフ場・スポーツガーデンから構成される「スポーツ・レクリエーションゾーン」、明通にある工業団地ゾーン「インダストリアルゾーン」の4つから構成されている。
なお、仙台白百合学園の一部と宮城大学は住所表示上は黒川郡大和町である(両校は泉パークタウンに隣接し、一体となって開発されているものの、厳密には三菱地所が運営主体の泉パークタウンとは異なる開発事業である)。
[編集] 住居ゾーン
- 高森地区
- 高森1~8丁目、北高森
- 桂地区
- 桂1~4丁目
- 寺岡地区
- 寺岡1~6丁目
- 紫山地区
- 紫山1~5丁目
[編集] タウンセンター
寺岡6丁目、高森1丁目、紫山2丁目、大和町学苑に跨って計画されている泉パークタウンの中心地。主要なものに、以下のホテル及び施設がある。
- 仙台ロイヤルパークホテル
- 宮城大学
- 宮城県図書館
- 21世紀プラザ研究センター
- 仙台地域職業訓練センター
[編集] スポーツ・レクリエーションゾーン
明通地区西部~南部に跨る泉パークタウンゴルフ倶楽部、泉パークタウンスポーツガーデンから構成されるスポーツを楽しむためのゾーン。スポーツガーデンは泉パークタウンテニスクラブ、野球場(市営)、サッカー・ラグビー場、芝生広場、ゴルフ練習場など多彩な屋外スポーツを楽しむことができる。サッカー場はベガルタ仙台の練習に使われることもある。
[編集] インダストリアルゾーン
インダストリアルとは、働くという意味で、明通地区北部~東部に跨る工業流通団地。ほかの工業団地とは異なり、緑が多く働きやすい環境となっている。地元の会社の工場が多いが、東北セミコンダクタ(フリースケール・セミコンダクタの生産拠点、かつてはモトローラと東芝の合弁)、アルプス電気、トヨタ自動車といった大企業の工場もある。当地に本社のある上場企業としては日本セラテックがあり、また七十七銀行の事務センター、東北電力の泉センター(通信鉄塔がある)、河北新報の印刷工場もあり、仙台都市圏経済を影で支えている。
[編集] 交通
[編集] 鉄道+バス
- 泉中央駅から宮城交通バスに乗り換え、桂地区まで約8~10分、高森地区まで約15~20分、寺岡・紫山地区までは約20~25分。朝夕の通勤ラッシュ時は、泉中央駅周辺の大渋滞のため、さらに5~10分余分に掛かる。
- 泉パークタウンは非常に広大で、バス系統も行き先によって複雑なルートを取るため、乗車の際は注意が必要である。
かつては泉中央駅から泉パークタウン方面まで地下鉄延伸する構想や、新交通システムなどの軌道系交通機関を設ける構想があったが、現在は立ち消えしている。
泉パークタウンは交通の便は悪くないものの、バス・地下鉄の運賃が高いため、都心まではかなりの交通費がかかる。(参考:泉パークタウンの中心の高森地区から仙台駅まで行くとすると、大人1名でバス→地下鉄の乗り継ぎで、乗り継ぎ切符を購入しても500円を超えてしまう。これがJRなら、同じ距離でも200円ほど安くなる)
[編集] 高速道路
[編集] 一般道路
- 北四番丁大衡線(宮城県道264号大衡仙台線)
- 泉パークタウンの中心部を縦貫する幹線道路である。元々は都市計画道路北四番丁大衡線として仙台市の中心部の幹線道路である北四番丁(国道48号)から泉パークタウン経て大衡村に至る都市計画道路であったが、2000年代に入り都市計画道路の全区間が宮城県道264号大衡仙台線としての指定を受けたので、現在は県道兼仙台市の都市計画道路である。
- 現在、北四番丁~北六番丁の区間が片側1車線で、輪王寺~水の森3丁目の区間が未開通(建設中)であり、暫定的に並行する市道が県道に格上げされているが、いずれの区間も平成22年度に開通する予定であり、開通すれば仙台都心部と泉パークタウンの移動が大幅に短縮されることになる。
- 宮城県道263号泉ケ丘熊ケ根線
- 泉パークタウンの中心部を東西方向に貫いている幹線道路である。現在は紫山から先が不通区間で、ダート区間になっている。将来的に根白石地区が分譲される際に根白石方面へ延長・拡幅工事される予定である。