民族派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
民族派(みんぞくは)とは、日本における戦後の右翼の一つの傾向、在り方。
戦後の日本の右翼は東西の冷戦体制下において、民族主義よりも反共主義を正面に出し、反共陣営の一翼となった。そのことが、右翼の中に民族的視点の希薄化を招き、右翼は、「昭和維新」という右翼革命を忘れた、反動的、反革命的な体制の在野の手先のような状態にあった。
こうした状態に対して、反共よりも、右翼の原点である「民族的視点」と「右からの変革(昭和維新)」をテーマとして登場した右翼が民族派と呼ばれる。
1970年代前半に学生組織を中心に登場した青年民族派と呼ばれる運動が民族派の始まりであり、三島由紀夫の言動や、新左翼の活動などの影響や、右翼の現状への深い危機意識から生まれた。後の新右翼のルーツも民族派にある。
戦前右翼も玄洋社などが似たような考えであり、原点回帰とも考えられる。