正法寺 (東松山市)

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正法寺（しょうほうじ）は、埼玉県東松山市にある真言宗智山派の寺院。山号は巌殿山。坂東三十三箇所の十番札所である。一般には岩殿観音の通称で知られる。

観音堂

[編集] 歴史

養老2年(718年)に、沙門逸海が千手観音像を刻み中興開山した。
天正19年（1591年）に、徳川家康より寺領二十五石の朱印地を与えらる。

[編集] 境内

比企丘陵の最東端に位置し、物見山のすぐ隣にあるため、寺は急傾斜地を切り崩したような場所にあり、山寺の雰囲気を持つ。

観音堂－養老年間の創建と伝える。寛永、天明、明治と3回再建され、現在の建物は明治11年（1871年）の建立である。本尊の千手観音は、室町時代の作と伝えられる。

仁王門－表参道から石段を少し登った所にある「巌殿山」の額を掲げた門。左右には仁王像がある。右手に本堂がある。観音堂は、この仁王門から長い階段を登ったところにある。

銅鐘（梵鐘）－元亨2年（1322年）に、鋳造されたもので、外面に無数の傷が付いており、これは天正18年（1590年）年に豊臣秀吉による関東征伐の際に、山中を引き回した時の傷だと伝えられる。

鐘楼－元禄15年（1702年）に、建立されたと伝えられる草葺き屋根の建物で東松山市内では最も古い建造物として、東松山市有形文化財に指定されている。

六面幢－天正10年（1582年）に、正法寺の僧、道照が健立したもので、埼玉県史跡に指定されている。

[編集] 文化財

正法寺の銅鐘（埼玉県指定有形文化財）
正法寺の鐘楼（東松山市指定有形文化財）
大イチョウ（東松山市指定天然記念物）

[編集] 参道

仁王門から延びる表参道の両脇には家が建ち並んでおり、かつての正法寺と門前町の繁栄の面影を残す。寺の裏手には交通量の多い県道が通っており、正法寺への参拝者もこの県道から観音堂へ直接来る人がほとんどである。この県道沿いには、大東文化大学、埼玉県平和資料館などの近代的な建物が立ち並んでいるのに対し、寺と参道周辺には、昔ながらの静かな雰囲気が残っている。