桜餅
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桜餅(さくらもち)は和菓子の一つ。
濾し餡を桃色に着色した生地で包み、塩漬けした桜の葉を巻いた餅菓子。 関東では小麦粉の焼皮を生地に使いクレープ状に巻いた物であり、関西では、糯米を蒸かして乾燥させたものを粗く砕いた粒(つぶ)のある道明寺粉の皮で饅頭のように小豆餡を包んだ物である。関東地方では関西風の桜餅を特に道明寺と呼ぶが、この呼称は関西では一般的ではない。関西では、関東風の桜餅は桜餅としてはあまり知られておらず、長命寺餅という別種の餅菓子としている事が多い。道明寺粉が高価なため、小麦粉で作った関東風よりも関西風のほうが高価な場合が多い。 又、関東では濾し餡が多く、関西では粒餡が多かったが、最近では関西でも濾し餡が増えている。 正確性にこだわらず、特に家庭で小規模に作る場合等は、硬めに炊いた無着色のもち米でも代用できる。
[編集] 由来
- 関東風の桜餅は江戸時代八代将軍徳川吉宗が隅田川に桜を植えたところ、その葉を使い向島長命寺の門番山本新六が桜餅を作リ、売られたものが最初である。
- 関西風の桜餅は、道明寺餅を椿の葉で挟んだ「椿餅」が原型とされている。
[編集] 桜の葉
葉がやわらかく毛が少ない大島桜の葉を塩漬けにして使う。主に伊豆半島の松崎町で生産されている(全国シェア70%ほど)。また1970年代頃からビニール製のもので代用されることが多くなっていたが、グルメブームや食文化の見直しの気風を受けて本来の塩漬けの葉が復権してきている。関東では大きめなものを好み、関西では小さめなものを好む。香りが良いため、関西風の桜餅では葉を取らずに中の餅と一緒に食べてしまうことが多い。桜の葉の独特の芳香は、塩蔵するときに分解して生成したクマリンという物質によるものである。尚、このクマリンには肝毒性があるので、桜の塩蔵葉が美味だからとはいえ、食べすぎには注意が必要である。
桜の葉を取って食べるのか、取らずに一緒に食べるのかについて議論がある。葉は本来取って食べていたもののようである。
[編集] 関連項目
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