格付け機関
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格付け機関(かくつけきかん)とは、債券などの元本および利息を、発行体(企業、政府、自治体など)が償還まで予定通り支払えるかどうかの見通しを、簡単な記号で評価する機関。格付け会社(かくつけがいしゃ)とも言う。
[編集] 概要
格付け機関は、発行体からの依頼により、経営陣とのミーティング、財務分析、業界分析などを行い、その発行体の信用度をある一定の基準に基づいて、「Aaa」「AAA」などの記号で評価する。この「Aaa」「AAA」などと付けられた評価を格付けという。この格付けは公表され、投資家が債券などへの投資を行なう際の参考データとなるほか、株価にも影響を与えることがある。
格付けは将来についての評価であるため、必然的に主観的な評価となる。格付け機関はできるだけ公平・中立な評価を行なうため、複数のアナリストの意見をもとに格付けを行うが、主観的な評価となることは避けられない。そのため、同じ発行体への評価でも格付け機関によって格付けが異なることがある。また、低い格付けをつけられた発行体から反論が行なわれることがある。
[編集] 格付けの例
長期格付けの例。機関によって表現が異なる。
ムーディーズの場合
- Aaa - 最高位
- Aa
- A - 投資適格程度
- Baa - 中程度のリスク
- Ba - 投機的要素あり
他社の場合
- AAA - 最高位
- AA
- A - 投資適格程度
- BBB - 中程度のリスク
- BB - 投機的要素あり
[編集] 日本の格付け機関
日本では金融庁が指定格付け機関を定めており、2006年現在、指定されている格付け機関は以下の五つである。
- ムーディーズ
- スタンダード&プアーズ(S&P)
- フィッチレーティングス
- 格付投資情報センター(R&I)
- 日本格付研究所
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