日産・セドリックセダン
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セドリックセダンとは、日産自動車が製造するセダン型乗用車である。ハードトップが一般向けなのに対しこちらは法人向けでタクシー、パトカー、ハイヤー、公用車などへの使用が多くなっている。この車には大きく分けて自家用と営業車の二つに分かれる。ここではおもに自家用モデルについて解説する。また、ハードトップと区別するためにSY31と呼ぶことが多い。営業車については日産・セドリック営業車を参照。
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[編集] 歴史
[編集] 初代(30型、1960年-1965年)
- 1500CCでスタート。
- 1960年11月1900CCのカスタムが登場する。
- 1962年10月マイナーチェンジ。縦一列のヘットライトが横一列のヘットライトに変更された。
[編集] 2代目(130型、1965年-1971年)
- 有名なOHC直列6気筒L20型エンジンがこの車と同時にデビューする。尚、L20型エンジン搭載車は、最上級グレードのスペシャルシックスのみであり、他にOHV直列6気筒のJ20型エンジン車があった。
- 1966年10月、1967年10月と2度マイナーチェンジされテールランプのデザインが大幅に変更された。
- 1968年9月マイナーチェンジで後期型になる。内外装が大幅に変わる。リアドアの三角窓の開閉が出来なくなる(はめ殺しとなった)。
- 1969年10年小改良で、L20型が改良された。また、J20型エンジン車が消滅し、直列6気筒車が全てL20型エンジン車になる。ホイールが13インチから14インチになる。
[編集] 3代目(230型、1971年-1975年)
- ハードトップ追加によりセダンとハードトップに分かれる。このモデルよりフロントドアの三角窓が廃止になる。また、それまで別モデルであった、元プリンス自動車のグロリアと双子車になる。
- 1972年7月マイナーチェンジで後期型となる。赤一色であったテールランプの中央部が橙色になり、ウインカーの視認性が向上した。それまでは、ブレーキランプと共用であった。
[編集] 4代目(330型、1975年-1979年)
- 1975年登場。ハードトップは角目2灯ヘッドライトだがセダンは丸目4灯だった。3ナンバー車は、L26からL28に変更された。
- ディーゼル車が復活する(セドリックでは、30型、130型でディーゼル車が存在した)。ディーゼルの上級車には、直列4気筒のSD22(2.2L、当時2L超のディーゼル車は、車体寸法が5ナンバーの枠内ならば5ナンバー扱いであった)が搭載された。
- 1977年6月マイナーチェンジで後期型になる。
[編集] 5代目(430型、1979年-1983年)
- 1979年登場。ターボモデル追加。L型エンジンをベースとした日本初の直列6気筒ディーゼルエンジンLD28が追加される。スタンダードのみ丸目4灯ヘッドライトとハーフホイールキャップを採用する。DX以上は角目4灯ヘッドライトとフルホイールキャップを採用する。パトカー(YP430)はエンジン以外スタンダードに準ずる。その他としてCピラー部にオペラウインドウ(Y31途中で廃止)と呼ばれる小窓が設けられた。
- L28Eには、ECCS(エンジン集中電子制御システム)が装着されていた。
- 1981年6月マイナーチェンジで後期型になる。
- 1982年電子制御OD付フルロックアップ4速トルコン車が登場する。
[編集] 6代目(Y30型、1983年-1987年)
- 1983年登場。直列6気筒のL型エンジンに代わりV型6気筒のVGエンジンが搭載された。スタンダードのみ丸目4灯ヘッドライトを採用する。Y30のインパネは現在もY31営業車でほぼ共通のものが使用されている。
- ディーゼル車は、直列6気筒のLD28(2.8L、ディーゼルなので5ナンバー)が引き続き使用される。
- 1985年後期型にマイナーチェンジしたことに伴い、ディーゼルエンジンは、それまでのLD28に代わりRBエンジンをベースにしたRD28が登場する。
[編集] 7代目(Y31型、1987年-2002年)
- 1987年登場。グレード名称が変更される。営業車の銀色バンパーが樹脂に変更される。前期オリジナル(営業車)のみ丸目4灯ヘッドライトを採用する。また、オーテックジャパン製作のストレッチリムジンロイヤルリムジンが登場した。価格は約1500万円
- このモデルより、一部モデルを除くモデルが4輪独立懸架(ストラット+セミトレーリングアーム)になり、操縦安定性が向上しグランツーリスモと呼ばれるグレードも設定された。
- 1989年マイナーチェンジ。フロントグリルのデザイン変更。オーテックジャパン製作でボディを150mmの延長の150Lが追加された。
- 1991年ビッグマイナーチェンジ。グランツーリスモは廃止される。ハードトップはY32にモデルチェンジ。日産車体で製造されるようになる。このとき、Cピラー部に有ったオペラウインドウが廃止された。
- 1994年運転席エアバッグ標準装備。
- 1995年マイナーチェンジ。3ナンバー車フロント周りを大幅変更ハードトップはY33にモデルチェンジ。
- 1998年インパネの形状変更。助手席エアバッグ標準装備。
- 1999年グロリアセダン廃止。ハードトップはY34にモデルチェンジ。RD28に代わりRD28Eが搭載される。
- 2002年自家用モデル製造中止。営業車は継続生産。
[編集] グレード
230~Y30
- スタンダード
- デラックス
- カスタムデラックス
- GL
- GL-E(330のみ)
- SGL
- GX(230のみ)
- ブロアム(330後期で追加される)
- ブロアムVIP
Y31
- オリジナル(営業車)
- カスタム(営業車)
- スーパーカスタム
- スーパーカスタムG
- クラシック
- クラシックSV
- ブロアム
- ブロアムVIPCタイプ
- ブロアムVIP
- グランツーリスモ(前期のみ)
- グランツーリスモSV(前期のみ)
[編集] エンジン(Y31)
- CA20P 2000直列4気筒LPG
- NA20P 2000直列4気筒LPG
- RB20P 2000直列6気筒LPG
- VG20P 2000V型6気筒LPG
- VG20E 2000V型6気筒ガソリン
- VG30E 3000V型6気筒ガソリン
- RD28 2800直列6気筒ディーゼル
- VG30ET 3000[V型6気筒] ガソリン ターボ
他にもハイヤーなどはVG30EをLPG改造してもらうことが多い。(形式PY31改)
輸出向けとして、
が用意される。
[編集] 形式一覧(Y31)
- NJY(CA20P)
- QJY(NA20P)
- MJY・CMJY(RB20P)
- BJY・CBJY(VG20P)
- Y・CY(VG20E)
- PY(VG30E)
- PAY(VG30E・エアサス){VG30ET・エアサス}
- UY(RD28)
- TY(VG20E・教習車)
- YPY(VG30E・パトカー、セドリックのみ)
- YY(VG20E・パトカー、Y31中期までのグロリアのみ)
- 2000cc・3ナンバー車は形式名の最初にCが付く
- 430以前は形式名の前にYが付かないため430、P430、YP430などとなる。