新星
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新星(しんせい)は、激変変光星(普通激変星と呼ばれる)の一種。変光星としての分類ではN型と呼ぶ。
表面で大規模なガス爆発現象が起こる事により、強く輝きだす恒星。絶対等級は最大-6~-9等になり、数日~1年程度でじわじわと元の明るさに戻る。古代の人々は星が新たに生まれ、輝いていると考えたためこの名前がついた。銀河系内では頻繁に発生し、その数は年に数十個。爆発の原因は白色矮星と赤色星が回りあっている近接連星系で、赤色星の外層部分のガスは白色矮星に流れ込み降着円盤を形成するが、降着円盤から白色矮星に降り積もったガスは重力や圧力が高くなると核融合反応を起こし大爆発が起こる。これが新星爆発であるが、他の激変星である新星様変光星(NL)、回帰新星(NR)、ふたご座U型変光星(UG)、アンドロメダ座Z型変光星(ZAND)も全て新星と同じ原理で変光するので、本項では激変星全体について述べる。
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[編集] 新星・新星様変光星・回帰新星
新星爆発は赤色矮星と白色矮星が近接連星を形成している場合に起こる。赤色矮星から白色矮星に向かって流れ落ちる物質が白色矮星のまわりを円盤のように取り囲み降着円盤を形成する。白色矮星の表面には降着円盤を通じて物質がたまるが、重力や圧力が高くなると核融合反応が起こって大爆発を起す。これが新星(N)である。
新星爆発の記録がないが爆発時以外の新星同様の変光を示す星が新星様変光星(NL)である。
2回以上繰り返し爆発する新星が回帰新星(反復新星)(NR)である。普通の新星が赤色矮星と降着円盤を持つ白色矮星の近接連星なのに対し、回帰新星は赤色巨星と降着円盤を持つ白色矮星の近接連星である。
[編集] ふたご座U型変光星
ふたご座U型変光星(UG)は矮新星とも呼ばれ、その名の通り10~3000日くらいの間隔で急激に増光(アウトバースト)し、またすぐに減光するという現象を繰り返すのが特徴である。小規模な新星に似た光度変化を示しその増光の様子から新星の出現を想像させる。 この型は増光の仕方によってUGSS(はくちょう座SS型)とUGZ(きりん座Z型)、UGSU(おおぐま座SU型)に細分類される。UG型も新星同様赤色矮星と降着円盤を持つ白色矮星の近接連星である。
[編集] アンドロメダ座Z型変光星
アンドロメダ座Z型変光星(ZAND)は2つの星が共生しているように見えるので共生星とも呼ばれる。ガスを加熱している高温の星(多くの場合白色矮星だが、高温準矮星のこともある)と赤色巨星との連星系で、不規則な光度変化を示す。赤色巨星の輻射が赤色巨星自身からのダストにより遮られ強い赤外線星となっている場合もあり、赤色巨星がミラ型或いは半規則型の脈動変光星である場合もある。ZAND型は新星やUG型と比較すると光度変化が穏やかであるといえる。
[編集] 主な激変星
[編集] 主な新星
[編集] 主な回帰新星
[編集] 主なふたご座U型変光星
[編集] 主なアンドロメダ座Z型変光星