斎藤茂吉
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斎藤 茂吉（さいとう もきち、1882年5月14日（戸籍では7月27日） - 1953年2月25日）は、山形県南村山郡金瓶村（現在の上山市金瓶）出身の歌人、精神科医である。伊藤左千夫門下。アララギ派の中心人物。長男は故・斎藤茂太。次男は北杜夫。斎藤由香は孫。
農民・守谷伝右衛門熊次郎の三男。父方の祖父・金沢治右衛門は和歌を嗜んだ。守谷家には、茂吉が小学校卒業後に進学するだけの経済面の余裕が無かった。茂吉は、画家になるか、寺に弟子入りしようかと考えた。そして親戚の、浅草の医師・斎藤紀一の家に養子に入る。
守谷家は近所の時宗（のち浄土宗）宝泉寺の檀家であった。住職佐原窿応の薫陶を受けた。『赤光』の語源は「阿弥陀経」に因んでいる。また時宗大本山（のち浄土宗本山）蓮華寺49世貫主となった晩年の窿応を訪ねている。養子に入った斎藤家は、皮肉にも、蓮華寺の一向派を抑圧する側であった遊行派の檀林日輪寺の檀家であった。茂吉の分骨墓が宝泉寺境内に遺されている。
中学時代から和歌の創作を開始する。高校時代に、正岡子規の歌集を読んでいたく感動、歌人を志す。そして、左千夫に弟子入りする。
生涯に全17冊の歌集を発表し、全17907首の歌を詠んだ。
目次 |
[編集] 学歴
- 上山尋常高等小学校高等科卒業。
- 東京府立開成尋常中学校（現在の私立開成中学校・高等学校）卒業。
- 正則英語学校（現在の正則学園高等学校）卒業。
- 旧制第一高等学校（現在の東京大学教養学部）第三部卒業。
- 東京帝国大学医科大学（現在の東大医学部）医学科卒業。
- ウィーン大学 およびミュンヘン大学に4年間留学。
[編集] 職歴
- 東大教室と巣鴨病院勤務。
- 1917年 官立長崎医学専門学校（現在の長崎大学医学部）教授。
- 青山脳病院院長。
- 1945年 太平洋戦争の悪化を理由に院長を辞職。病院は東京都に移管され、現在の都立梅ヶ丘病院に連なる。
[編集] 受賞歴
[編集] 著書
[編集] 歌集
- 『朝の蛍』
- 『赤光』東雲堂書店。処女作。
- 『あらたま』春陽堂。
- 『つゆじも』岩波書店。
- 『遠遊』岩波書店。
- 『遍歴』岩波書店。
- 『ともしび』岩波書店。
- 『たかはら』岩波書店。
- 『連山』岩波書店。
- 『石泉』岩波書店。
- 『白桃』岩波書店。
- 『暁紅』岩波書店。
- 『寒雲』古今書院。
- 『のぼり路』岩波書店。
- 『霜』岩波書店。
- 『小園』岩波書店。
- 『白き山』岩波書店。最上川や山形県の自然を歌ったもの。
- 『つきかげ』岩波書店。遺作。
[編集] 歌論
- 『短歌私抄』
- 『童馬漫語』
- 『短歌写生の説』
- 『柿本人麿』
- 『万葉秀歌』岩波書店［岩波新書］。
- 『伊藤左千夫』
- 『小歌論』
- 『源実朝』
- 『文学直路』
- 『作歌実語抄』
- 『明治大正短歌史』
- 『続明治大正短歌史』
- 『歌壇夜叉語』
[編集] 代表歌
- 死に近き母に添寢のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる
- みちのくの母のいのちを一目見ん一目みんとぞただにいそげる
- 我が母よ死にたまひゆく我が母よ我を生まし乳足（ちた）らひし母よ
- のど赤き玄鳥（つばくらめ）ふたつ屋梁（はり）にゐて足乳根の母は死にたまふなり
- 最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも
[編集] 参考文献
- 北杜夫著『青年茂吉――「赤光」「あらたま」時代』岩波書店［岩波現代文庫］。ISBN 4006020279
- 北杜夫著『壮年茂吉――「つゆじも」～「ともしび」時代』岩波現代文庫。ISBN 4006020287
- 北杜夫著『茂吉彷徨――「たかはら」～「小園｣時代』岩波現代文庫。ISBN 4006020295
- 北杜夫著『茂吉晩年――「白き山」「つきかげ」時代』岩波現代文庫。ISBN 4006020309
