思春期乳腺肥大症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
思春期乳腺肥大症(ししゅんきにゅうせんひだいしょう VBH)は、思春期において、乳房に過度の成長を生じる珍しい病気である。
この病気の原因は、女性ホルモン、エストロゲン、プロゲステロンなどに対する過敏症である。VBHの症状は、乳房の肥大(大きくなること)である。一般に、VBHが発症するのは、女性が初めて月経を経験した直後である。
乳房の発達(乳房発育開始)が始まるのは、月経が始まる(初潮)前であると主張する医者もいる。
肥大の程度は、患者によって異なる。重症の場合、乳房の重さが片方で10Kgを超えてしまうこともある。ある医学研究によれば、最も重くなった乳房は30Kgもあった。
通常、VBHになると、乳頭にも肥大が起こり、これが桁外れの大きさに成長することがある。また、きわめて重症の場合には、陰核の肥大が起こることもある。
このような極端な乳房の大きさや重さは、それ以外の問題の原因になることもある。たとえば、頭痛、頚痛、上背痛や腰痛、指の麻痺や刺痛などを訴える患者も多い。 また、乳房の重さのせいで、ブラジャーのストラップが肩に陥凹(へこみ)をつくり、その慢性的な刺激によって消えない傷跡を残すこともある。特に、天候が暖かいときには、乳房の下にひどい発疹ができることも多い。
この乳房の成長は、徐々にではなく、「成長スパート」として起こる。VBHの女性は、乳房がまったく、もしくは、ほとんど成長しない期間の合間に、乳房が短期間で急速に成長する「成長スパート」を経験する。この急成長は、激しい身体的な不快感を引き起こす。その主な症状は、皮膚の赤みやかゆみ、そしてときに乳房全般の痛みである。
この症状を治療する方法は、現在のところ、乳房縮小手術しかない。
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 病気 | 医学関連のスタブ項目