弘南バス
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 | 036-8002 青森県弘前市駅前2-14-2 |
電話番号 | 0172-32-2241 |
設立 | 1930年7月 登記上の設立日1941年4月17日 |
業種 | 陸運業 |
事業内容 | 乗合バス事業,貸切バス事業他 |
代表者 | 代表取締役社長 山口健六 |
資本金 | 495百万円 |
外部リンク | http://www.7-dj.com/konanbus/ |
弘南バス(こうなんバス)は青森県弘前市に本社を置き、津軽地方の中心に運行されているバス事業者である。
地元以外では弘南鉄道の子会社と思われがちだが、資本関係はない。しかし弘南鉄道から分社化したため、両会社の取締役が一部役職を兼務している。
目次 |
[編集] 沿革
弘南鉄道では平賀駅から離れている集落住民が鉄道を利用しやすいように、1931年から自社で乗合自動車の運行を開始した。一旦は運営を委託するものの直営に戻し、乗合自動車の買収を始めた。その後の戦時特例により買収はさらに加速し、1941年までに弘前市を中心に南津軽郡・西津軽郡の乗合自動車はほぼ弘南鉄道に掌握された。その後、バス部門を独立させ、現在の弘南バスが発足した。
一方、北津軽郡・西津軽郡は津鉄バスに統合されていた。しかし赤字に悩み、1955年に弘南バスに買収され、東津軽郡を除く津軽地方一体に路線網を持つことになった。なお、1950年には板柳バスが設立されたが、1953年に弘南バスに買収された。
その後も路線網を広げていくが、マイカーの普及や少子化により郡部を中心に利用者の減少が始まった。そんな中、1985年の東北新幹線上野駅延伸に合わせ、弘前からのアクセス向上を目的に弘前~盛岡間の高速バスヨーデル号の運行を開始した。ヨーデル号は地元客に受け入れられ、社内でも有数の収益を上げる路線となった。これが高速バス路線網を広げるきっかけとなり、1986年には中古車購入などで繋がりのあった京浜急行電鉄(当時)と国内初の共同運行による夜行高速バスノクターン号の運行を開始させ、時間を有効に活用できることから、利用者から支持を得た。
少子化はさらに進み、赤字路線は拡大していき、次第に市町村からの補助金も多くなっていった。できるだけ補助金交付を避けるため、ヨーデル号などの高速バスの黒字分を赤字路線へ回す内部補てんが行われてきた。さらには平賀・大鰐・金木の各案内所を特定貸切事業部を分社させた子会社の弘南サービスに移管したり、一部路線ではバスを利用するしないにかかわらず、住民が決まった周期に決まった金額のバス回数券を購入することでバスの運行経費を負担する住民参加型路線を始めるなどした。
しかし2002年の東北新幹線八戸駅開業に合わせ、JR東日本がつがるの運転を開始したことにより、それまでヨーデル号を利用していた客の多くがJRに流れ、利用客が大幅に減少した。それを補うため長距離昼行高速バススカイターン号と青森上野号を開設、往復1万円という運賃の安さから利用者を取り込むことに成功した。
東京方面への夜行バスはノクターン号、ラ・フォーレ号で比較的好調を維持していたが、オリオンツアーが格安運賃のツアーバス形式で青森・弘前~東京間に夜行バスの運行を開始させ、収支に影響を与えるようになった。そのためパンダ号の運行を開始し、地元客を中心に取り込むことに成功している。
[編集] 年表
- 1923年 - 山形バス(山形乗合自動車商会)が黒石~板留間運行開始。
- 1925年 - 花岡バス(弘藤乗合自動車)設立、弘前~藤崎間運行開始。
- 1931年 - 上原呉服店が上原呉服店前(黒石)~蔵館(大鰐)間運行開始。
- 1931年6月24日 - 弘南鉄道が平賀~唐竹間において乗合自動車の運行を開始する。
- 1934年3月28日 - 弘南鉄道自動車事業が赤字だったことから、個人に運営を委託する。
- 1936年1月27日 - 弘南鉄道が平川バス(弘前市代官町)を買収。
- 1936年3月13日 - 運営委託を破棄。
- 1936年4月1日 - 平川バスの路線を継承して運行開始。弘前市内13往復、弘前~町居間4往復。また平賀~唐竹間の運行を再開。
- 1936年12月10日 - 弘前市松森町に車庫を建設。
- 1937年 - 上町(黒石)~常盤村の間で常盤バスが運行開始。
- 1937年2月11日 - 弘南鉄道が上原バス(黒石~大鰐間)を買収。
- 1937年3月6日 - 蔵舘バスから長峰線を買収する。
- 1937年4月10日 - 平賀駅前にバス乗務員詰所を建設。
- 1937年4月17日 - 大鰐に車庫を建設。
- 1937年8月1日 - 弘前から新屋・尾崎まで路線延長。
- 1937年10月4日 - 石川~大坊~沖館~唐竹間を買収。
- 1938年4月1日 - バス路線延長が58.4kmになる(平賀~唐竹間5.2km、弘前~尾崎間17.4km、弘前駅~茂森間3.8km、弘前~蔵舘間16.1km、川部~蔵舘間15.9km)。
- 1939年1月10日 - 今井バス(大鰐~唐牛間)を買収。
- 1939年??月??日 - エビス・バス(弘前市百石町)を買収。
- 1939年3月30日 弘前市土手町にバス待合所設置。
- 1940年3月3日 - 浪岡バス(黒石甲徳兵衛町カネ長武田前~浪岡間本郷経由・飛内経由)を買収。
- 1940年6月6日 - 黒石町に車庫・待合所を建設。
- 1941年 - 弘前バス(弘前乗合自動車会社)、黒石バス(黒石乗合自動車商会)、常盤バスを買収。
- 1941年1月4日 - 山形バス、花岡バスを買収。
- 1941年4月17日 - 弘南鉄道自動車部を切り離し、「弘前乗合自動車株式会社」に分社(のち会社名を「弘南バス株式会社」とする)。
- 1943年5月 - 蔵舘バスを買収。
- 1950年7月 - 貸切事業を開始。
- 1950年12月4日 - 板柳バス設立、翌年春から運行開始。
- 1951年6月 - 板柳営業所を開設。
- 1953年12月 - 板柳バスを買収。
- 1954年7月 - 青森市造道に青森営業所開設。
- 1955年3月 - 津鉄バスを買収。五所川原・鰺ヶ沢営業所開設。
- 1955年8月10日 - 金木案内所、小泊車庫開設。
- 1956年4月 - 本社から車庫を分離、弘前営業所新設。
- 1958年10月 - 青森バスセンター開設。
- 1964年 - 中里案内所開設。
- 1964年11月 - 東京・札幌連絡事務所開設。
- 1965年 - 木造バスセンター(木造案内所)開設。
- 1966年5月 - 仙台連絡事務所開設。
- 1967年2月 - 青森連絡事務所(現・青森観光センター)開設。
- 1969年10月 - 市内営業所を移転し、藤代営業所設置。
- 1977年4月 - 桜ヶ丘案内所設置、弘前営業所を小栗山へ移転。
- 1978年11月 - 高崎営業所設置。
- 1979年2月 - 特定貸切事業部(のち特定貸切事業所→弘南サービス)発足。
- 1980年12月 - 浜の町線、桜ヶ丘線などでミニバス「バンビ号」運行開始。
- 1991年4月 - 創立50周年を記念し、レトロバス「トテバス」運行開始。
- 1991年4月17日 - CI(Kマーク)発表。新ボディデザイン登場。
- 2002年5月21日 - 黒石管内大幅時刻改正。
- 2002年6月1日 - 土・日・祝日1日フリーパス券「ワンバケーションパス」発売開始。
- 2002年10月1日 - 五所川原・鰺ヶ沢管内大幅時刻改正。
- 2003年4月1日 - 弘前管内大幅時刻改正。
- 2005年4月1日 - 大鰐待合所を廃止。
- 2006年4月1日 - 弘南サービス大鰐・平賀・金木管内を弘南バスに移管。
[編集] 営業所・案内所一覧
[編集] 車両配置営業所
- 弘前営業所(停留所:弘前営業所)
- 五所川原営業所(停留所:五所川原営業所)
- 鰺ヶ沢営業所(停留所:鰺ヶ沢営業所)
- 黒石営業所(停留所:黒石営業所)
- 青森営業所(停留所:青森営業所)
- 乗合部青森分室(停留所:青森営業所)
[編集] 案内所・待合所
- 弘前バスターミナル総合案内所(高速バス予約センター、停留所:弘前バスターミナル)
- 弘前駅前案内所(停留所:弘前駅)
- 五所川原ターミナル(停留所:五所川原駅)
- 黒石駅前案内所(停留所:黒石駅)
- 鰺ヶ沢駅前案内所(停留所:鰺ヶ沢駅)
- 浪岡待合所(停留所:浪岡)
- 観光部
- 青森観光センター
- 東京事務所
- 札幌事務所
[編集] 廃止営業所
- 木造案内所(木造バスセンター)
- 中里案内所
- 高崎営業所(弘前営業所へ統合)
- 十和田案内所(十和田湖休屋にあった乗務員休憩所)
- ハイローザ案内所
- 大鰐待合所
[編集] 高速路線
愛称名 | 区 間 | 共同運行会社 | 備考 |
---|---|---|---|
ノクターン | 五所川原・弘前 - 東京 | 京浜急行バス | 予約指定制 |
五所川原・弘前 - 横浜 | |||
ラ・フォーレ号 | 青森 - 東京 | JRバス東北 JRバス関東 京急観光バス |
予約指定制 |
パンダ号 | 青森 - 弘前 - 上野 | (単独運行) | 予約指定制 |
青森上野号 | 青森 - 弘前 - 上野 | (単独運行) | 予約指定制 |
キャッスル号 | 弘前 - 仙台 | JRバス東北 宮城交通 |
予約指定制 |
ブルーシティ号 | 青森 - 仙台 | JRバス東北 宮城交通 十鉄バス |
予約指定制 |
ヨーデル号 | 弘前 - 盛岡 | JRバス東北 岩手県北バス 岩手県交通 |
定員制 |
あすなろ号 | 青森 - 盛岡 | 岩手県北バス 秋北バス |
定員制 |
[編集] 一般路線
一部を除いて、詳細については各営業所・案内所・車庫の記事を参照のこと。
[編集] 主要路線
- 弘前~浪岡線
- 弘前~黒石線
- 弘前~五所川原線
- 弘前~鰺ヶ沢線
- 五所川原~青森線
- 五所川原~鰺ヶ沢線
- 黒石~青森線
- 特急弘前~青森空港線
- 特急五所川原~青森空港線
[編集] 弘前市内線
- 小栗山線
- 狼森線
- 座頭石線
- 自衛隊線
- 久渡寺線
- 学園町線
- 宮園団地線
- 金属団地・桜ヶ丘線
- 浜の町・石渡線
- 駒越線
- 茂森線
- 川先線
- 小比内線
- 福田線
- 岩賀線
- 堂ヶ沢線
- 船沢・三ツ森線
- 市内循環ためのぶ号
- 土手町循環100円バス
- 城東環状100円バス
- 弘前駅城東口環状100円バス
[編集] 中津軽郡・南津軽郡・黒石市・青森市
- 枯木平線
- 弥生線
- 新岡・葛原線
- 賀田線
- 大秋・川原平線
- 相馬線
- 弘前~大鰐・碇ヶ関線
- 夕顔関経由弘前~板柳線
- 弘前~板柳~十腰内・笹館線
- 板柳~十腰内線
- 弘前~尾上線
- 弘前~平賀線
- 川部線
- 黒石~尾上線
- 大川原・虹の湖線
- 黒石~温川線
- 大黒線
- 居土・高野新田線
- 早瀬野・島田線
- 大鰐スキー場線
- 駒の台線
- 新城線
- 黒石市回遊バスぷらっと号
- 平川市循環バス
- 青森駅~フェリー埠頭線
[編集] 五所川原市・つがる市・北津軽郡
- 長富・金木・中里・小泊線
- 十三線
- 越水経由南広森線
- 出来島線
- 稲垣線
- 豊川線
- 藻川線
- 高野線
- 飯詰線
- 広田団地線
- 五所川原市内循環100円バス
- 廻堰経由五所川原~鶴田線
- 横萢経由五所川原~鶴田線
- 柏木経由五所川原~板柳線
- 田茂木・長泥線
- 富萢・中里高校線
- 稲垣・牛潟線
- 喜良市線
[編集] 西津軽郡
- 鰺ヶ沢~深浦線
- 深谷・黒森線
- 長平・松代線
- 十二湖線(4月下旬から11月3日まで運行)
[編集] 住民参加型路線バス
- 深谷線(鰺ヶ沢営業所~黒森)
- 藍内線(弘前バスターミナル~相馬~藍内)
[編集] 契約輸送
- マエダ青森ガーラタウン100円シャトルバス
- ジャスコ無料送迎バス(柏店)
[編集] 廃止路線
[編集] 企画乗車券
- 価格は平成18年4月1日現在
[編集] 津軽漫遊フリーパス券
- 65歳以上の方が対象で弘南バス全線(青森空港線、夜行バス五所川原~青森線、十二湖線、ゆ・ゆ号などの一部路線除く)乗り放題。
- 発行日から1年間有効、39,500円
- 弘前バスターミナル、五所川原ターミナル、黒石駅前案内所、鰺ヶ沢駅前案内所、青森営業所、板柳案内所、小泊案内所、青森観光センター、金木営業所で発売。
[編集] ワンバケーションパス
- 土曜休日の1日に限り弘南バス全線(青森空港線、夜行バス五所川原~青森線、十二湖線、ゆ・ゆ号などの一部路線を除く)乗り放題。
- 大人1000円、小学生500円(前売り可能)
- 弘前バスターミナル、五所川原ターミナル、五所川原営業所、黒石駅前案内所、鰺ヶ沢駅前案内所、青森営業所、板柳案内所、小泊案内所、青森観光センター、金木営業所で発売。
[編集] 湯巡りツアー・どさ湯さ号
- 黒石駅~黒石温泉郷間(最長、虹の湖公園前まで)の往復割引乗車券。
- 復路のバスを利用する前に、指定されている箇所で証明印を乗車券に押してもらう。
- 大人500円、2日間有効。
- 黒石駅前案内所で発売。
[編集] 弘前市内100円バス1日乗車券
- 弘前市内の100円バス4線が乗り放題。
- 大人500円、中高生300円、小学生100円
- 弘前バスターミナル、弘前市立観光館、車内(大人用のみ、城東環状100円バス車内では発売していないので注意)で発売。
[編集] 往復割引乗車券
- 片道500円以上の区間で発売する。
- 500円~990円区間は片道2割引、1000円区間以上は片道2.5割引となる。
- 発行日から1ヶ月間有効。
- 弘前バスターミナル、五所川原ターミナル、黒石駅前案内所、鰺ヶ沢駅前案内所で発売。
- 往路が弘前バスターミナル・五所川原駅前・黒石駅前・鯵ヶ沢駅前発以外の往復乗車券は発売していない。
- 青森線は適用外となる。
[編集] 青森線往復乗車券
- 青森市内~浪岡・五所川原駅・黒石駅間で設定。
- 青森市内~浪岡間 - 1,000円
- 青森市内~黒石駅間 - 1,200円
- 青森市内~五所川原駅間 - 1,500円
- 青森営業所、日専連青森しんまちプラザ、増川商店、浪岡待合所(青森~浪岡のみ)、黒石営前案内所(青森~黒石のみ)、五所川原営業所(青森~五所川原のみ)、五所川原ターミナル(青森~五所川原のみ)で発売。
- 有効期限は無い。
[編集] セット回数券
- 1000円で発売。
- 140円券7枚、100円券4枚、10円券1枚の合計1110円分
- 弘南バス窓口、委託販売所、車内で発売。
※その他、普通回数券、学生回数券、定期券もある。
[編集] 弘南バスと競合事業者との停留所名の比較
競合事業者のバス路線の一部停留所では、競合相手の事業者での停留所の名称などが異なっていることがある。 先方:弘南=後方:競合事業者の停留所名
- 「青森中三前」=新町一丁目(青森市営)
- 「古川二丁目」=古川(5番のりば、青森市営)
- 「合浦公園前(新城方面)」=合浦公園口(下交)
- 「三内霊園前」=三内霊園入口(青森市営)
- 「青森大野(高速バス)」=「農協会館前」(青森市営・JR<空港線>)
[編集] その他
- 乗合バスの車両は、前乗り前降り、後払い式のワンマンバスである。しかし、五所川原市で運行されている100円バス車両は、料金前払い、前乗り後降りとなっている。
- 整理券は基本的に、なし、1、2、…の順となっている。ただし一部路線では運賃表を兼用しているため、始発停留所から乗車しても整理券があるので注意が必要。またミニバス路線や100円バスでは整理券は不要となっている(弘前~浪岡~青森間乗り継ぎに関してはこちらを参照のこと)。
- 終点到着の際には必ずオルゴールのBGMが流れる(DREAMS COME TRUEの未来予想図II など)。
- 弘南バスでは、市町村合併実施後も「××役場」等のバス停の名称及び車内アナウンス(のテープ)を変更していない。但し、ダイヤ改正時に配られる時刻表には、「××(総合)支所」等と記載されている。但し、一部バス停では新名称のシールが、バス停ポール上に貼られている。
[編集] 弘南バスが登場する作品
[編集] 関連会社
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