山野線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
山野線(やまのせん)とは、熊本県水俣市の水俣駅から鹿児島県姶良郡湧水町(営業当時は栗野町)の栗野駅までを結んでいた、九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線(地方交通線)である。国鉄再建法施行により第2次特定地方交通線に指定され、国鉄分割民営化後の1988年に廃止された。前年末から漫画の絵が車体に描かれていたキハ52系気動車1両も山野線最後の日を迎えた。
目次 |
[編集] 路線データ
- 管轄(事業種別):九州旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 区間(営業キロ):水俣~栗野 55.7km
- 軌間:1067mm
- 駅数:16(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:タブレット閉塞式
[編集] 歴史
山野線は、沿線にある鉱山の開発のため敷設された路線で、栗野~山野間が軽便鉄道法に基づき1921年に山野軽便線(やまのけいべんせん。1922年に山野線に改称)として開業した。水俣~山野間は改正鉄道敷設法別表第124号の予定線で、1934年に水俣~久木野間が山野西線(やまのさいせん)として開業、従来からの山野線は山野東線(やまのとうせん)と改称。1935年には山野東線が薩摩布計まで延長され、1937年には県境区間の久木野~薩摩布計間が開業し全通した。この時に、線名は再び山野線に戻った。
なお、久木野~薩摩布計間には九州唯一の通過可能なループ線(大川ループ)があったことで知られている。
[編集] 山野軽便線→山野東線
- 1921年9月11日 【開業】山野軽便線 栗野~山野(23.6km) 【駅新設】湯之尾、菱刈、薩摩大口、山野
- 1922年9月2日 【線名改称】山野軽便線→山野線(軽便鉄道法廃止による)
- 1934年4月22日 【線名改称】山野線→山野東線(山野西線開業による)
- 1935年12月20日 【延伸開業】山野~薩摩布計(9.7km) 【駅新設】薩摩布計 【改キロ】薩摩大口~山野(-0.2km)
[編集] 山野西線
- 1934年4月22日 【開業】山野西線 水俣~久木野(14.3km) 【駅新設】東水俣、肥後深川、深渡瀬、久木野
[編集] 全通後(山野線)
- 1937年12月12日 【延伸開業・全通】久木野~薩摩布計(8.3km) 【線名改称】山野西線・山野東線→山野線
- 1938年3月25日 【駅新設】西菱刈
- 1959年11月23日 【駅新設】稲葉崎
- 1963年4月5日 【駅新設】前目
- 1965年2月11日 【駅新設】郡山八幡
- 1984年6月22日 第2次特定地方交通線として廃止承認
- 1986年11月1日 【貨物営業廃止】全線(-55.7km)
- 1987年4月1日 【承継】九州旅客鉄道
- 1988年2月1日 【廃止】全線(-55.7km) バス転換(南国交通)
[編集] 駅一覧
水俣駅 - 東水俣駅 - 肥後深川駅 - 深渡瀬駅 - 久木野駅 - 薩摩布計駅 - 西山野駅 - 山野駅 - 郡山八幡駅 - 薩摩大口駅- 西菱刈駅 - 菱刈駅 - 前目駅 - 湯之尾駅 - 稲葉崎駅 - 栗野駅
[編集] 接続路線
[編集] 廃線跡
- 水俣駅付近から久木野駅跡付近までの廃線跡は、自転車・歩行者専用道路「日本一長い運動場」として整備された。