客家
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客家(ハッカ、北京語 : Kèjiā /客家語 : Hakka)は、中国の南部に住む漢民族のエスニック集団である。唐から元のころに華北から移住してきた人々の子孫であると伝承されている。主な居住地域は、湖南省・福建省・広東省などの山間部である。在外華僑・華人として東南アジア諸国に暮らす者も多く、華人の3分の1は客家人である。 台湾では北中部の桃園、新竹、苗栗などを中心に居住し、福佬(閩南)人に次ぐ大きなエスニック・グループを構成している。そのため、公共の交通機関などでは国語(北京語)、台湾語(福佬語)についで客家語の放送が行われることが普通である。また台湾では、世界で唯一の客家語専門チャンネル「客家電視台」があり、ケーブルテレビ網を通してニュースや文化的な番組をはじめ、ドラマなど娯楽番組などの放送を行っている。
客家の人々は、周囲の中国語の諸方言よりも北方の方言に近い客家語を話すなど、周辺に住む他の漢族集団とは異なった独特の言語・文化を持ち、一般に外来者として離れた場所に居住している。そのために歴史的に他の集団と軋轢を起こすことも多い。しかし、少数派であるがゆえに劣勢であるため、中央政権や王朝と良好な関係を保とうとする傾向がある。このような背景から漢民族としての意識が比較的強いとも言われる。
移民の通例として土地の所有が困難であったために流通や商業に従事することが多く、師弟の教育にも熱心なことで知られる。商業のほかには教育の高さから教職につくことが多い。これらの特色から「中国のユダヤ人」などと呼ばれることもある。
また伝統的な中国人の発想として卑しめられることの多かった軍人となった者や、反乱や革命に参加する者がも近代以前から多い。そのため、太平天国の指導者である洪秀全や、中国国民党の孫文、中国共産党の鄧小平などを輩出した。
福建省の山間部では、外部からの襲撃を防ぐために、土楼(円形のものは円楼、正方形など四角形のものは方楼)と呼ばれる独特の集合住宅を築いてまとまって居住している。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 客家関係サイト(英語)