好中球
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好中球(こうちゅうきゅう、neutrophil、neutrophile)は、白血球の一種である顆粒球の1つ。中性色素に染まる特殊顆粒を持つ顆粒球で、末梢血中の白血球の中で最も数が多い。顆粒球の40~60%を占める。
好中性顆粒はリゾチームの一種であり、ゴルジ体(内網装置)でつくられる。
[編集] 性質
強い貪食能力を持ち、細菌などの体内の有害物を除去する役割がある。しかし、感染などの防御反応として生体に有利に働くだけでなく、場合によっては組織障害性に働くこともある。直径10~12μ。寿命は1~2日。
[編集] 分化過程
好中球を含め、全ての血球は骨髄の中に存在する造血幹細胞に由来する。骨髄中において造血幹細胞は、骨髄系幹細胞、骨髄芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球の順に分化成熟する。さらに桿状核球を経て分葉核球へと分化するが、この最後の2つをもって好中球と呼ぶ。
また、末梢血に見られる白血球の約半数は分葉核球である。