夕刊紙
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夕刊紙(ゆうかんし)とは、夕刊を専門に発行する新聞のこと。夕刊専売紙(ゆうかんせんばいし)とも言う。一般に店頭販売を原則とし、勤務終了後に帰宅するサラリーマンを主な想定読者とした小型サイズ(タブロイド判)のものが多い。代表的な夕刊紙には東京スポーツや夕刊フジ、日刊ゲンダイがある。
紙面構成としてはスポーツ新聞に近いが、記事のウェイトはスポーツよりも娯楽が中心で、性風俗関連記事も多い。金・土曜日発行の場合は、翌日の中央競馬レースの予想も掲載される。広告も、性風俗店や、サラリーマン金融(ほとんどは東京都に貸金業登録(創業)をして間もない、登録番号が「都(1)」で始まる「トイチ」(語源は10日で一割の高利を取るからとの説もあり)と呼ばれる業者)、ブルーカラー系求人などが多数掲載される。
夕刊紙の大きな転換期として、90年代後半より海外チームへ移籍したプロスポーツ選手(野球・サッカー)の登場や活躍により、メジャーリーグを始め、海外のスポーツ自体が注目され始めたことが挙げられる。それにより、時差の関係で夕刊紙が他紙よりも早く速報を伝えられる状況であったため、夕刊紙の一面でスポーツ記事が掲載される割合も多くなった。
ニュース解説は、時として硬派の新聞と比較して鋭い切り込みをしていることもあるが、ほとんど誇張や煽情的な表現である。
[編集] 往年の大阪の夕刊紙
戦後から1980年代には大阪市では「大阪新聞」「大阪日日新聞」「関西新聞」「新大阪」などの地元夕刊紙が多く発行されており、梅田駅の地下通路などに毎日各紙が張り出されていたほどの盛況で、一つのジャンルを形成していたが、東京資本新聞社の販売攻勢によって、2000年頃までに発行の中止、あるいは朝刊紙への転向で、長年親しまれた大阪の地元夕刊紙が姿を消した。