変成岩
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変成岩(へんせいがん、Metamorphic rock)とは、変成作用(Metamorphism)により形成された岩石のこと。変成作用とはいったんできた岩石(原岩)が熱や圧力などの作用を受け、その岩石を構成する鉱物の組み合わせや、岩石の構造が変化することを言う。ただしその際、岩石の外からの物質の出入りは考えず、原岩の化学組成がほとんど変化しないものと考える。(化学組成の変化を伴う場合は変質作用といい、その結果形成される岩石を変質岩という)
変成岩の原岩は火成岩、堆積岩など種類は問わず、変成岩がさらに変成作用を受ける場合もある。
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[編集] 変成岩の種類
変成岩は、原岩になった岩石の種類と、受けた変成作用の性質により分類される。変成作用の主な要因は熱と圧力で、変成作用の種類により温度と圧力の条件が異なる。
[編集] 接触変成岩
接触変成岩(せっしょくへんせいがん、Contact metamorphic rock)は、火成岩の貫入に伴って、原岩がマグマに接触し熱で焼かれてできた岩石である。高温低圧型の変成岩が形成する。貫入する火成岩は花崗岩のことが多い。
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[編集] 動力変成岩
動力変成岩(どうりょくへんせいがん)は、岩石が動く際にその境界部に大きな力がかかり、岩石の構造が変化してできる岩石である。断層のまわりにできることが多い。岩石の運動の方向を記録していることもあり、引き延ばされたような構造をとるものもある。
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[編集] 広域変成岩
広域変成岩(こういきへんせいがん)は、プレートの沈み込む境界で、プレート同士の押し合う圧力や地下深くにもぐることで受ける圧力により、形成される岩石である。プレートの境目に沿って、同じ変成作用で形成された変成岩が千キロメートル以上に渡って形成されることもあり、この名がついた。原岩の沈み込む深さにより、様々な温度圧力条件の広域変成岩が形成されるが、基本的には低温高圧型。
日本で広域変成岩が見られる地域として、三波川変成帯、三郡変成帯、神居古潭変成帯、領家変成帯、阿武隈変成帯、日高変成帯などが有名。
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