土地区画整理事業
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土地区画整理事業(とちくかくせいりじぎょう)は、都市計画区域内の土地について公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るために行われる、土地の区画形質の変更及び公共施設の新設又は変更に関する事業である。土地区画整理法(昭和29年法律第119号)で定めるところに従って行われる。
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[編集] 概要
[編集] 施行者
土地区画整理事業を施行する者(施行者)は、以下の通り法定されている。
- 宅地について所有権若しくは借地権を有する者 - 個人施行者
- 宅地について所有権若しくは借地権を有する者の同意を得た者 - 都市再生機構、地方住宅供給公社など
- 土地区画整理組合
- 都道府県及び市町村
- 国土交通大臣
土地区画整理組合とは、土地所有者または借地権者7人以上からなり、都道府県知事の認可を必要とする。
[編集] 換地(かんち)計画
施行者は、施行地区内の宅地について換地処分を行うため、換地計画において以下の事項を定めなければならない。
- 換地設計
- 各筆換地明細
- 各筆各権利別清算金明細
- 保留地その他の特別の定をする土地の明細
- その他国土交通省令で定める事項
清算金は、従前の宅地と換地の不均衡を清算する金銭をいう。また、保留地は、土地区画整理事業の施行の費用に充てるため、換地として定めない一定の土地をいう。
[編集] 仮換地の指定
施行者は、換地処分を行う前において、工事または換地処分を行うため必要がある場合においては、施行地区内の宅地について仮換地を指定することができる。
仮換地が指定された場合、従前の土地の使用収益権者は、換地処分の公告があるまで仮換地の使用収益ができるようになり、従前の土地の使用収益権を失う。一方、仮換地の使用収益権者は、公告があるまで使用収益できないこととなる。
[編集] 換地処分
換地処分は、関係権利者に換地計画において定められた関係事項を通知してするものとする。そのうえで、都道府県(または国土交通大臣)が公告をおこなう。
換地計画において定められた換地は、その公告があった日の翌日から従前の宅地とみなされ、所有権等が移転し、清算金が確定する。また、保留地を施行者が取得する。
[編集] 区画整理の仕組み
区画整理事業では、通常新しい公共施設の建設のために必要な公共用地の確保、また組合事業では事業費を生み出すために必要な保留地の確保のため土地を提供してもらうことになる。これによりそれぞれの土地が減少する事を減歩(げんぶ)とよぶ。換地計画においては地積・土質・水利・利用状況・環境等が照応されるように定められなければならないが、ある程度の不均衡が生じる場合には、従前の宅地と換地の権利価格の差額を清算金として精算する。
事業者側からは、減歩により土地の面積は減っても「周辺の基盤整備が行われ土地の価格が上昇するため、資産価値は減少しない(増加する)。」という説明がなされる。
但しこの説明について、土地資産価値の向上それ自体は未実現の利益であり、それに対して固定資産税などの租税負担が増すなどの観点から迷惑行為とも受け取る考え方もある。
[編集] 区画整理の現況
大正の旧都市計画法以来、平成16年度末までに、1万1808の地区で39万4484haの事業が行われている(事業中含む)。[1]
[編集] 区画整理の歴史
明治以降、不整形な農地を整形化し、計画的に道路や用水路を整備する事業が行われていたが、1899年(明治32年)に「耕地整理法」が制定された。地権者全員の合意がなくとも、一定数の合意があれば事業を進めることが可能になるなど制度が整い、各地で耕地整理事業が行われた。
耕地整理は住宅地の開発にも応用され、農地に道路などを整備し、良好な住宅地として分譲販売する、といった手法が大正時代頃から行われていた。
旧都市計画法(1919年)においては、耕地整理を準用して土地区画整理事業を行うことが定められた。
区画整理の手法は関東大震災の復興(3400ha)や、各地の戦災復興(27900ha)の過程で積極的に行われ、道路など公共施設の整備が図られた。
1949年、耕地整理法は廃止され、1954年、現行の「土地区画整理法」が公布された。
[編集] 関連する制度
[編集] 土地改良
[編集] 市街地再開発
駅前の密集地域などで街並みの整備を行おうとしても、敷地が既に狭小で減歩が困難だったり、借地権者が多数存在しており、権利関係が複雑化している場合がある。このため、比較的小規模な範囲で、中高層の再開発ビル(施設建築物)を建設し、その中に権利者を入居してもらうことにより土地の高度利用を図るという制度が考えられ、市街地改造法(1961年)、都市再開発法(1979年)が制定された。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 国土交通省[2]