国際無線障害特別委員会
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国際無線障害特別委員会(フランス語でComite' international spe'cial des perturbations radioe'lectriques: CISPR、シスプル) は電気・電子機器から発する電磁波障害について、 測定法・許容値などの規格を国際的に統一することを目的に、1934年に設立された、国際電気標準会議(IEC)の特別委員会。
CISPRは運営委員会と、分野ごとに分かれた以下の6つの小委員会・分科会(Sub Committee: SC)によって構成される。
- SC-A : 無線妨害測定と統計的手法。
- SC-B : 工業・科学・医療(ISM)向け高周波装置、高電圧設備、電力系列、電気鉄道における妨害。
- SC-D : 自動車(ガソリン車、電気車とも)、内燃機関における妨害、車載受信機。
- SC-F : モーター、電動工具、照明器具などからの妨害、イミュニティ。
- SC-H : 無線通信保護のための妨害波制限
- SC-I : 情報技術(IT)設備(コンピュータなど)、マルチメディア / ハイファイ機器、受信機の電磁環境適合性。
以前はSC-C(電力線)、SC-E(放送受信機)、SC-G(コンピュータなどの情報技術装置)も存在したが、2001年6月にSC-CはSC-Bに、SC-EとSC-GはSC-Iに統合され、現在の体制になった。
CISPRの出版物は基本的に電磁妨害の測定に関する規準。それらはケーブルの長さ、測定装置構成、およびアースする手段を指定している。規準には、イミュニティに関しても指定されている。
現在まで、30以上のCISPR規格が公表された。 代表的な基準は以下のとおり。
- CISPR 10 : CISPRの組織、規則、および手順。 (1992年9月)
- CISPR 11 : 工業、科学、医療(ISM)向け高周波機器の電磁妨害の特性の許容値及び測定の方法。(1997年6月)
- CISPR 14 : 電磁環境適合性。電動工具、電気・電子機器、および同様の装置。 1) エミッション、2)イミュニティ。(1998年10月(1)、11月(2))
- CISPR 22 : 情報技術設備の無線妨害特性許容値及び測定の方法。(1997年4月)
- CISPR 25 : 車載受信機の保護のための妨害特性の許容値及び測定法(1995年)