国鉄DE15形ディーゼル機関車
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DE15形は、1967年(昭和42年)に登場した旧・日本国有鉄道(国鉄)の中型液体式除雪用ディーゼル機関車(ラッセル式)。
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[編集] 概要
ラッセル式除雪機関車として、1961年(昭和36年)にDD15形が登場していたが、この車両は除雪装置を取り付けた際の軸重が15.5トンもあり、丙線以下の線区には入線出来なかった。そのため、これらの下級線区では、旧来からの雪掻き車を機関車で推進して除雪する方式を行わざるを得なかった。そこで 除雪車両の高性能化と近代化をはかるため、DE10形を元に、下級線区に入線可能な除雪用機関車が製作された。それが当形式であり、1967年(昭和42年)から1981年(昭和56年)の間に計58両が製造された。除雪時には前後に2軸台車を使用したラッセルヘッド車を連結する。除雪期以外に停車場構内での入換作業や本線の客貨列車牽引にも使用される事を考慮し、ラッセルヘッド車の連結解結作業は簡略化されている。ラッセルヘッド車連結時には、ラッセルヘッド車の運転台から機関車の運転操作が出来る。
機関車本体の基本的な構造はDE10形とほぼ同じであるが、ラッセルヘッド車連結のための装備が施されている。ラッセルヘッド車とは3箇所の密着連結リンクで連結されるため、ナンバープレート部分中央と後部標識灯横に密着連結リンクが装着されている。そのうち、ナンバープレート中央部の密着連結リンクには電気連結器が装備されている。このため、ナンバープレートは中央部分が分割されている。後部標識灯も、DE10型に比べ外方に寄って取り付けられている。なお、これらの密着連結リンクは取り外し可能である。
ラッセルヘッド車は、製造開始時は単頭式(機関車の片側のみにラッセルヘッド車を連結)であった。この方式は、折り返し時にラッセルヘッド車の車体を台車の中心を支点に油圧で180度方向転換させて、機関車を反対側に回送して連結するものであった。そのため、側線を使っての機関車の入れ替え、車体方向転換の手間を要した。ところが、終端駅の側線が雪で埋没したことによる機関車の入れ替え不能や、ラッセルヘッド回転スペース確保のために線路脇除雪が必要等の問題点が出てきたため、これを改善するために、1976年(昭和51年)からは両頭式(機関車の両側にラッセルヘッド車を連結)で製造されている。また、ラッセルヘッド車の形状には単線形(進行方向の両側に雪を掻き分ける方式)と複線形(進行方向の左側に雪を掻き分ける方式)がある。
製造期によって一部仕様が違い、後に改造による改番も発生している。
[編集] 番台各説
[編集] 0番台
1967年(昭和42年)から1969年(昭和44年)に製造されたグループで、機関はDML61ZA (1250ps/1500rpm)が搭載されている。1~2号機と4~6号機が複線形の単頭式、3号機が単線形の単頭式として製造された。SG(客車暖房用蒸気発生装置)が装備されている。後に、1~3号機と6号機が両頭式に改造された。この際、単線形であった3号機は2053号機に改番されている。
[編集] 1000番台
1971年(昭和46年)から1973年(昭和48年)の間に製造されたグループで、機関はDML61ZB (1350ps/1550rpm)に変更され、SGも装備されている。1001号機と1003~1006号機が複線形の単頭式、1002号機が単線形の単頭式で製造された。後に、1002号機と1004号機と1006号機は両頭式に改造され、1002号機は2052号機に改番された。
[編集] 1500番台
1971年(昭和46年)から1973年(昭和48年)の間に製造されたグループである。1000番台との違いは、SGを省略してSG重量分の死重を搭載した事である。1501~1504号機・1507号機・1509~1512号機・1514~1516号機・1518号機機が複線形単頭式で製作され、1505号機・1506号機・1508号機・1513号機・1517号機が単線形単頭式で製作された。なお、1976年以降に製作された1519号機以降は複線形両頭式で製作された。単頭式で製作された車両も、後に両頭式に改造されたものがあり、単線用単頭式を両頭化改造した車両は2550番台に改番された。
[編集] 2050番台
SGを装備した単線形単頭式のものを単線形両頭式に改造したグループである。2052号機と2053号機があるが、それぞれ種車が異なる(2052号機は1002号機、2053号機は3号機が種車)ため、同番台でも機関出力が異なる。
[編集] 2500番台
1977年(昭和52年)から製造された、単線形両頭式として製造されたグループである。SGを省略してSG重量分の死重を搭載している。1981年(昭和56年)までに27両が製造された。
[編集] 2550番台
1500番台車の内、単線形単頭式で製作されたものを単線形両頭式に改造したグループである。種車の車番に1050を足した車番になっている。
[編集] 現況
昨今では、保線要員のみで操作できるという簡便さや経費の面から除雪用モーターカーが使用されることが多く、DE15形の稼働率は落ちている。
JR北海道釧路運輸車両所に所属する2510号機は、イベント用として車体上部が黒で残りが赤の塗色に変更されている。機関車単体のみの塗装変更のため、ラッセルヘッド車は従来の塗色のままである。降雪期間に運行される「SL冬の湿原号」の川湯温泉駅延長運転時に、ラッセルヘッド車を切り離して同列車の補機として運用される場合もある。
JR西日本後藤総合車両所に所属するDE15 2550番台(2558)は、木次線の観光トロッコ列車奥出雲おろち号の牽引専用のため専用塗色になっており、冬季には機関車本体が奥出雲おろち号色、ラッセルヘッドが一般色で除雪作業を行っている。
[編集] 主要諸元
- 全長:14,150mm(機関車単独)、30,860mm(複線形両頭車)、27,760mm(単線形両頭車)
- 全幅:2,950mm
- 全高:3,965mm(機関車単独)、4,077mm(ラッセルヘッド車連結時)
- 軸配置:A-A-A-B
- 液体変速機:DW6
- 1時間定格出力:1250ps/1500rpm(0番台)、1350ps/1550rpm(0番台以外)
- 最高速度:85km/h
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