四つ球
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四つ球(よつだま)はキャロム台を用いたビリヤードの競技法の一種。かつてはもっとも一般的なビリヤード競技のひとつであったが、現在では次第に少数派になりつつあり、ことに日本ではほとんど行われない。
ゲームは赤球二つ、白球二つ(白球は弁別の必要上一方を黄色に塗ることもある)の計四球を使い、二人で行う。手球は白球で、一方の競技者が撞くことのできる手球は最後まで変らない。
日本で一般的に行なわれていた競技法は、台の中央に長辺と平行になるように広めの距離をとって赤球二つを並べ、その後に白球を一つずつ置いて撞きはじめる。競技者は、手球を他の三球のうち二球以上に当たるようにして撞き、手球が他の一球にしか当たらないか、もしくはまったく当たらなかった場合には撞手を交代する。二球以上に当たった場合には連続して撞き、その回数と球数に応じて得点が加算される。
競技者には持点が定められており、当てた点数が早く持点に達した(「撞きあがる」ともいう)側が勝者となる。持点を按配することで、競技者のあいだに力量の差があってもハンディキャップをつけることができる。点数の計算は、一回の撞きで二球以上に当たった場合に一点とするのが現在では一般的だが(当たった球数では点数は変化しない)、以前は以下のような複雑な点数計算に拠っていた(日本の場合)。
- 赤球一球と白球に当たったら二点
- 赤球二球に当たったら三点
- 三球すべてに当たったら五点
なお、このほかに「赤赤」という得点計算の方式がある。これは赤球二球に当たったときのみ一点となるもので、相手の手球に触れると得点にならず、通常のルールより難易度が高い。韓国では現在でも四つ球が盛んで、「赤赤」でのゲームが一般的である。
ルール自体はナイン・ボールなどに比べて単純だが、それだけに玉突きの醍醐味にあふれているといってもいい。