名所江戸百景
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名所江戸百景(めいしょえどひゃっけい)とは、浮世絵師の歌川広重が安政3年(1856年)から同5年(1858年)にかけて制作した連作浮世絵である。広重最晩年の作品であり、その死の直前まで制作が続けられた。最終的には完成せず、二代目広重の補筆が加わって、「一立斎広重 一世一代 江戸百景」として刊行された。板元は魚屋栄吉で、江戸末期の名所図絵の集大成ともいえる内容で、目録と118枚の図絵から成る。
何気ない江戸の風景であるが、近景と遠景の極端な切り取り方や、俯瞰、鳥瞰などを駆使した視点、またズームアップを多岐にわたって取り入れるなど斬新な構図が多く、視覚的な面白さもさることながら、多版刷りの技術も工夫を重ねて浮世絵としての完成度は随一ともいわれている。
実際に「大はしあたけの夕立」や「亀戸梅屋敷」を模写したゴッホをはじめ、日本的な「ジャポニズム」の代表作として西洋の画家に多大な影響を与えたシリーズでもある。
[編集] 全118枚の図絵
- 日本橋雪晴
- 霞がせき
- 山下町日比谷外さくら田
- 永代橋佃しま
- 両ごく回向院元柳橋
- 馬喰町初音の馬場
- 大てんま町木綿店
- する賀てふ
- 筋違内八ツ小路
- 神田明神曙之景
- 上野清水堂不忍ノ池
- 上野山した
- 下谷広小路
- 日暮里寺院の林泉
- 日暮里諏訪の台
- 千駄木団子坂花屋敷
- 飛鳥山北の眺望
- 王子稲荷の社
- 王子音無川堰棣
- 川口のわたし善光寺
- 芝愛宕山
- 広尾ふる川
- 目黒千代か池
- 目黒新富士
- 目黒元不二
- 八景坂鎧掛松
- 蒲田の梅園
- 品川御殿やま
- 砂むら元八まん
- 亀戸梅屋敷
- 吾嬬の森連理の梓
- 柳しま
- 四ツ木通用水引ふね
- 真乳山山谷堀夜景
- 隅田川水神の森真崎
- 真崎辺より水神の森内川関屋の里を見る図
- 墨田河橋場の渡かわら竈
- 廓中東雲
- 吾妻橋金龍山遠望
- せき口上水端はせを庵椿やま
- 市ヶ谷八幡
- 玉川堤の花
- 日本橋江戸ばし
- 日本橋通一丁目略図
- 八ツ見のはし
- 鎧の渡し小網町
- 昌平橋聖堂神田川
- 水道橋駿河台
- 王子不動之滝
- 角筈熊野十二社
- 糀町一丁目山王祭ねり込
- 赤坂桐畑
- 増上寺塔赤羽根
- 外桜田弁慶堀糀町
- 佃しま住吉の祭
- 深川万年橋
- みつまたわかれの淵
- 大はしあたけの夕立
- 両国橋大川ばた
- 浅草川大川端宮戸川
- 浅草川首尾の松御厩河岸
- 駒形堂吾嬬橋
- 綾瀬川鐘か淵
- 堀切の花菖蒲
- 亀戸天神境内
- 五百羅漢さゞゐ堂
- 逆井のわたし
- 深川八まん山ひらき
- 深川三十三間堂
- 中川口
- 利根川ばらばらまつ
- はねたのわたし弁天の社
- 市中繁栄七夕祭
- 大伝馬町ごふく店
- 神田紺屋町
- 京橋竹がし
- 鉄砲洲稲荷橋湊神社
- 鉄砲洲築地門跡
- 芝神明増上寺
- 金杉橋芝浦
- 高輪うしまち
- 月の岬
- 品川すさき
- 目黒爺々が茶屋
- 紀ノ国坂赤坂溜池遠景
- 四ッ谷内藤新宿
- 井の頭の池弁天の社
- 王子滝の川
- 上野山内月のまつ
- 猿わか町よるの景
- 請地秋葉の境内
- 木母寺内川御前栽畑
- にい宿のわたし
- 真間の紅葉手古那の社継はし
- 鴻の台とね川風景
- 堀江ねこざね
- 小奈木川五本まつ
- 両国花火
- 浅草金龍山
- よし原日本堤
- 浅草田甫酉の町詣
- 蓑輪金杉三河しま
- 千住の大はし
- 小梅堤
- 御厩河岸
- 深川木場
- 深川州崎十万坪
- 芝うらの風景
- 南品川鮫洲海岸
- 千束の池袈裟懸松
- 目黒太鼓橋夕日の岡
- 愛宕下薮小路
- 虎の門外あふひ坂
- びくにはし雪中
- 高田の馬場
- 高田姿見のはし俤の橋砂利場
- 湯しま天神坂上眺望
- 王子装束ゑの木大晦日の狐火