可愛かずみ
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可愛 かずみ(かわい かずみ、1964年7月9日 - 1997年5月9日)は東京都出身。昭和後期から平成期(1980年代-1990年代)の女優。本名:久我知子。
[編集] 来歴・人物
高校在学中にモデルクラブからのスカウトを受け、高卒後にっかつロマンポルノ映画『セーラー服色情飼育』(監督渡辺護.脚本小水ガイラ、1982年)で芸能界入り。「可愛かずみ」の芸名はその際、渡辺監督によって命名された。ロマンポルノ映画出演はこの一作のみであったが、童顔、細身とはアンバランスな大きな胸で人気を得、それ以後雑誌グラビア、テレビのバラエティー、ドラマなどでアイドル女優として活躍をしていた(だが、デビューがにっかつロマンポルノだった事で、一時期『ポルノ女優』の肩書きで呼ばれ、本人は相当嫌だったらしい)。
歌の方も「春感ムスメ」というシングルでデビューをし、その後「天使のデザート」「メディテーション」というアルバムもリリース。レコーディングの時に一生懸命歌うかずみはスタッフから「歌手じゃないんだから鼻歌まじりの歌声でいいんだ!力むような歌声じゃ駄目だ」と言われ微妙だったという。
またバラエティ番組にも多数出演し、1983年頃「オレたちひょうきん族」では「ひょうきんベストテン」のコーナーで中森明菜のものまねで登場した。まだ歌番組のアシスタントなどでの登場も多くなり、ブラウン管でお茶の間にだいぶ定着してきた。また1984年~1986年頃には深夜帯ドラマトライアングル・ブルー(テレビ朝日)に出演し、とんねるず、川上麻衣子、柄沢次郎らと演技派女優としての一歩を踏み出す。特に最終回の可愛と同居していた同じ大学の女子大生役の川上麻衣子がスウェーデン留学が決まったというストーリーで二人が号泣するというシーンは視聴者の共感を呼ぶ名シーンであった。
そして片岡鶴太郎主演の「季節はずれの海岸物語」では全シリーズで「とっこちゃん」という役柄で鶴太郎がマスターをしていた喫茶店を手伝う役柄を演じて好評を得ていた。
その後は演技派女優として不動の地位を築き、特に帯ドラマではない2時間ものの一話完結ドラマの女王といわれる程シリアスで、特に悲哀な内容の演技に周囲が絶賛するほどであった。
私生活では香坂みゆきと親交があり、よく二人でテレビに出演していた。また1995年、当時ヤクルトスワローズに在籍していた川崎憲次郎との交際が発覚したが、その後破局。
1997年5月9日午後7時10分頃、川崎憲次郎の住んでいた都内のマンションの屋上より飛び降り自殺し即死した。享年32。この数日後、可愛は都内の実業家(当時28歳)と婚約し、7月に結婚することが予定されていたことが発覚し、棺の中には挙式で着用する予定のウェディングドレスが収められている。