南部大型自動拳銃
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
正式名称 | 南部式自動拳銃 |
全長 | 229mm |
重量 | 945g |
口径 | 8㎜口径 |
装弾数 | 8+1発 |
作動方式 | 反動利用銃身後退方式 |
速度 | 315m/sec |
銃身 | 110mm |
製造国 | 日本 |
南部式大型自動拳銃は、20世紀初頭に旧日本陸軍が開発した試作銃である。正式には南部式自動拳銃である。
目次 |
[編集] 歴史と概要
口径は大型(甲、乙)が8mm、小型が7mmである。(当然だが、十四年式拳銃とは使用弾は異なる)十四年式拳銃と同じく、ルガーP08を真似したなどという噂があるが、機構は当然異なり、むしろモーゼル軍用拳銃の影響を強く受けている。(イタリアのグリセンティM1910を参考にしたとも言われる) 装弾数は大型8発、小型6発である。
この銃は後に東京工廠製造所長となる南部麒次郎が作った拳銃で、当時、旧式化した二十六年式拳銃の後継拳銃の話があり、その採用試験に出したが機構が複雑で、コストが高いということもあり採用されなかった。(しかし採用試験時には四一式自動拳銃と仮称まで付いていた) だが一つの拳銃としては、とても高性能でいいものと言える。
しかしその後 大正13年(1924年)に海軍陸戦隊に採用され、陸式拳銃という名で大型乙が1万挺ほど納入されていたと言うことである。他に小型は大陸へ行く民間人や将校などに市販されたりした。(当時は将校の護身拳銃は自分で買わなければならなかった。)
大型甲と大型乙の違いは、まず甲はホルスターを銃床として利用できるところや、弾倉の底部(脱着のための指掛け)が乙はアルミで、甲は木製であるところなどである。
この銃は現存する程度のよい実銃がないため(生産数が少ないなどもある)、海外のガンコレクターに人気のある一品で、大型甲がグランパ南部、大型乙がパパ南部、小型がベビー南部と呼ばれている。
たまに十四年式拳銃のことを南部式自動拳銃と間違える人がいるが、まったく別物である。
[編集] 特徴
- 一般的にグリップ後部にあるグリップセイフティがグリップ前面にある。