南沙織

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

南沙織（みなみさおり、1954年 7月2日 - ）は鹿児島県奄美大島生まれ（デビュー時は母親の郷里、奄美大島生まれとされたが、実際は沖縄生まれという説もあり）、沖縄育ちの元アイドル歌手。本名は内間（現：篠山）明美。クリスチャンで洗礼を受けており、その時授かった名前「シンシア（Cynthia 月の女神、蟹座の守護神の意）」を愛称としている。

沖縄本土復帰前の1971年に来日、6月に「17才」でデビューし54万枚の大ヒットとなる。同年の日本レコード大賞新人賞受賞、NHK『紅白歌合戦』出場。長い黒髪と日焼けした健康的な肌で同世代の若者に絶大な人気を博し、同時期にデビューした小柳ルミ子、天地真理と合わせて1970年代前半に「新三人娘」と呼ばれた。ブロマイドも爆発的に売れ、1971年、1972年の年間売上実績で第1位を獲得した。1975年発売の田山雅充作曲「人恋しくて」以後、尾崎亜美作曲「春の予感」などニューミュージック系ライターを起用するようになる。「人恋しくて」では日本レコード大賞歌唱賞を受賞。「春の予感」は1978年の資生堂 CMソングになった。同年上智大学に入学し、学業に専念するためにこの年に歌手引退。1979年、写真家の篠山紀信と結婚し、その後3児の母となる。

1991年、紅白歌合戦に出場して復帰。翌年以降、限定的ながら作品をリリースし活動を再開した。この時「シンシア」の名で活動したこともあるが、他に同じ芸名の歌手がデビューしたと言う事もあり「南沙織」に戻った。

星座は「蟹座」。デビュー曲「17才」のジャケットの写真にも、「蟹座」のデザインのシャツを着用。そのイメージ通り、母性的、家庭的な性格で、歌手引退後も良き妻、良き母親となった。
「17才」は、リン・アンダーソン(Lynn Anderson)の「ローズ・ガーデン」がモチーフとなっているとされるが、導入部が似通ってるだけの風説に過ぎない。当時は一部分が似通ってるだけでも「パクリ」とする風潮があった。なお南沙織は1stLPでこの「ローズ・ガーデン」をカバーしている。後に森高千里らもカバーして再びヒット。
TVドラマ「おれは男だ!』」本人役で出演。「ともだち」を歌った。
「色づく街」は三田寛子、水野美紀がカバー。
よしだたくろうとかまやつひろしの「シンシア」（1974年、よしだたくろう『今はまだ人生を語らず』収録）は、南沙織に捧げた楽曲。ベスト30歌謡曲では共演を果たした。
介助犬のシンシアは、飼い主が南沙織のファンであったことから付けられた。
著名人にも、彼女のファンが多く、映画監督の羽仁進はファンクラブに入会していた。フォーク歌手の泉谷しげるは、娘を「さおり」と名付けた。