十和田北線
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十和田北線(とわだきたせん)とは、青森県十和田市と同県青森市を結ぶ、JRバス東北が運行する路線である。愛称は「みずうみ号( - ごう)」である。
国鉄時代からの「培養路線」として、JRバス東北の看板路線である。
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[編集] 運行概要
[編集] 系統
- 4月1日~11月初旬(夏期ダイヤ)
- 11月初旬~3月31日(冬期ダイヤ)
- 十和田湖~青森駅(みずうみ号・東八甲田ルート)
- 十和田湖~蔦温泉(みずうみ号)
- 青森駅~酸ヶ湯温泉(各停便)
[編集] ダイヤ
路線起点が十和田湖となっているため、青森方面は下り、十和田湖方面は上りとなっている。
[編集] 夏期ダイヤ
2005年までは4月1日~11月初旬まで運行、4月1日~11月3日前後まで運行、10月1日~11月3日前後までの運行の3つの運行期間に分かれていたが、2006年はすべて4月1日~11月10日運行に統一された。2003年より十和田東線運行開始のため、運行本数が削減された。基本的には十和田湖~青森駅間の運行だが、下り夕方と上り朝には十和田湖~蔦温泉間の便が運行される。
なお、一時期は浅虫温泉駅発着のあさむし号や青森空港経由、城ヶ倉大橋経由、朝に青森駅~酸ヶ湯温泉間の区間便が設定されていたが、廃止されてしまった。
以前はバス指定券の発売状況に応じて続行便を出す処置がとられた。現在はバス指定券が廃止されたが、みどりの窓口での前売り乗車券の発売状況に応じて青森駅~子ノ口間において運行される。青森駅発の場合は1台目が子ノ口行、2台目を十和田湖行とし誤乗車を防いでいる。ただ子ノ口以遠の乗客でも、十和田湖行が満席の場合は子ノ口行に乗車することになる(子ノ口で乗継可能)。子ノ口行の行き先幕は大きい文字で十和田湖と書かれた下に小さく(子ノ口)と書かれているので注意が必要である。
上りは萱野茶屋・酸ヶ湯温泉・蔦温泉にて、下りは蔦温泉・酸ヶ湯温泉にて5~10分程度の休憩時間がある。
[編集] 冬期ダイヤ
酸ヶ湯付近の笠松峠が冬期間通行止めとなることから、蔦温泉~酸ヶ湯温泉間は運休となる。
十和田湖側では夏期ダイヤとほぼ同じ時刻で十和田湖~蔦温泉間の区間便が運行される。青森側では旅客案内上酸ヶ湯線として運行している。横内線に組み込まれ、青森市内全停留所に停車する。以前は3往復で堤橋経由の設定があったが、現在は八甲田大橋経由にされ2往復にとなり、2006年冬期からは更に1往復に減便された。
このほか2000年より田代平経由で運行する通称東八甲田ルートが開設された。一時は十和田東線へのシフトが予想されたため廃止されたが、JR東日本からの要請によって復活した。
[編集] 主な停留所
[編集] みずうみ号
十和田湖 - 瞰湖台 - 宇樽部 - 子ノ口 - 石ヶ戸 - 焼山 - 十和田湖温泉郷 - 奥入瀬渓流温泉 - 蔦温泉 - 谷地温泉 - 猿倉温泉 - 酸ヶ湯温泉 - 城ヶ倉温泉 - ロープウェイ駅前 - 萱野茶屋 - ヴィラシティ雲谷 - (ねぶたの里入口/下りのみ) - (浄水場入口/下りのみ) - (NTT青森支店前/下りのみ) - (観光物産館/下り一部便のみ) - 青森駅
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- 十和田湖駅~ヴィラシティ雲谷間は各停留所に停車、ヴィラシティ雲谷~青森駅間は上記の停留所のみ停車。
[編集] みずうみ号(東八甲田ルート)
十和田湖 - 焼山 - 蔦温泉 - 谷地温泉 - (田代平) - 青森駅
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- 記載停留所のみ停車となる。
[編集] 酸ヶ湯線
酸ヶ湯温泉 - 城ヶ倉温泉 - ロープウェイ駅前 - 萱野茶屋 - ヴィラシティ雲谷 - 青森公立大学 - ねぶたの里入口 - 浄水場入口 - 津軽横内 - 妙見 - サンロード青森前 - NTT青森支店前 - 新町二丁目 - 青森駅
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- 各停留所に停車する。
[編集] のりば
- 十和田湖(JRバス十和田湖駅)…2番のりば
- 子ノ口(JRバス子ノ口駅)…青森行1番のりば、十和田湖行3番のりば
- 青森駅…JRバス8番のりば
[編集] 歴史
- 1929年頃 - 伊香善吉が青森~酸ヶ湯間でバス運行を開始する。
- 1934年8月5日 - 鉄道省が伊香善吉から青森~酸ヶ湯間の路線権利を買収、鉄道省営バス十和田北線青森駅~休屋(現・十和田湖)間の運行を開始。
- 1941年8月1日 - 戦時特例により運転休止。
- 1945年10月5日 - 青森~酸ヶ湯間運行再開。
- 1947年9月1日 - 酸ヶ湯~休屋間運行再開。
- 1970年5月1日 - 青森市街地の経路を八甲田大橋経由に変更。
- 1970年10月1日 - 「バス指定券」方式開始。みどりの窓口での発売を開始。
- 1974年5月1日 - バス指定券を有料化。
- 1975年8月1日 - ワンマンカー運行開始。
- 1980年3月15日 - 酸ヶ湯~休屋間貨物営業廃止。
- 1982年12月15日 - 青森~酸ヶ湯間が通年運行となる。
- 1984年2月1日 - 青森~酸ヶ湯間貨物営業廃止。
- 1992年9月18日 - 青森空港~十和田湖間運行開始。
- 199x年 - 青森空港発着便を廃止。
- 2003年 - 青森発みずうみ号1便を青森空港経由に。
- 2005年 - 青森空港経由みずうみ号を廃止。
[編集] 東八甲田ルート
- 2000年 - 冬期間「東八甲田ルート」での運行開始
- 2002年 - 利用者が少ないことから廃止、八戸からのおいらせ号に振り替え。
- 2003年 - 東北新幹線八戸駅開業により十和田湖への観光客が増え需要が見込めることから、運行を再開(ただし時刻は青森メインから十和田湖メインに変更)。
[編集] 乗車券
- JRみどりの窓口で青森駅発、十和田湖・子ノ口発の乗車券が購入できる。あらかじめ乗車便を指定したうえでの発行となる。ただし発券できる区間が限られている。
- JRバス青森駅きっぷうりば・十和田湖駅に自動券売機を設置。事前の乗車券購入を呼びかけている。
- 一部区間の乗車券は2日間有効で途中下車もできる。
- 乗車券を持っていない場合は乗車当日下車時に清算する。この場合、乗車時には整理券を取らなければならない。
- JRバス東北の金券式回数券・セット回数券での利用ができる。
- JR東日本発売の「ふたりの北東北・函館フリーきっぷ」利用の場合は、あらかじめJRみどりの窓口で乗車便を指定のうえ青森駅発、十和田湖・子ノ口発のバス指定券(無料)の交付ができる。
[編集] その他
- 前乗り前降り。
[編集] 十和田方式
- 国鉄時代に新車を投入する際、まず青森自動車営業所、十和田南自動車営業所に新車を集中配置させて、繁忙期の1シーズン稼働させた後、全国の営業所へ再配置した。これを十和田方式と呼んだ。国鉄といえど、地方自動車局独自の仕様や車体があるので、十和田北線・十和田南線では東北、信越(十和田南)では見られない車両が稼働していた。民営化以降、会社が分割されたのでこのような方式は消滅した。
[編集] 関連事項
[編集] リンク
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