北岬沖海戦
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北岬沖海戦(きたみさきおきかいせん、Battle of North Cape)とは第二次世界大戦中の1943年12月26日に発生したドイツ軍とイギリス軍との間の海戦。北岬とはノルウェーの最北端に近い岬の英語名の和訳で、ノールカップとも呼ばれる。
1941年6月のドイツのソ連侵攻以降ノルウェー海やバレンツ海を経由し、イギリスからソ連に援助物資が送られた。この輸送船団をめぐり、輸送の妨害を行うドイツ軍と船団を護衛しているイギリス軍の戦闘が度々発生した。
1943年12月25日、ドイツ海軍の巡洋戦艦シャルンホルストと駆逐艦5隻がソ連に向かう輸送船団発見の報せを受け、攻撃のため出撃した。作戦名はオストフロント(東部戦線)。駆逐艦5隻は偵察のため、シャルンホルストより前方に進出していた。この輸送船団JW55Bは、戦艦デューク・オブ・ヨーク、などによって護衛されていた。
翌26日朝、イギリス海軍の重巡洋艦ノーフォーク、軽巡洋艦シェフィールド、ベルファストがシャルンホルストを発見。9時29分、吹雪の中で砲撃を開始した。シャルンホルストは命中弾を受け後退。正午前、再度接触し、ノーフォークに命中弾を与えた。12時21分、イギリス海軍の巡洋艦戦隊が砲撃再開。シャルンホルストは船団攻撃を諦め帰路に着いた。イギリス巡洋艦部隊はこれを追跡。16時50分、イギリス本国艦隊の戦艦デューク・オブ・ヨーク、軽巡洋艦ジャマイカ、駆逐艦4隻が到着し、シャルンホルストに対し攻撃を開始。シャルンホルストは大破、射撃不能となり、巡洋艦、駆逐艦の雷撃により魚雷11本が命中し、沈没した。
この海戦の結果、ソ連への物資輸送を妨害する戦力が減少し、東部戦線でのソ連軍をより優位にした。
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