列聖
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列聖(れっせい、ラテン語:Canonizatio)とは、キリスト教で聖人崇敬を行う教会が、信仰の模範となるにふさわしい信者を聖人の地位にあげることをいう。ほとんどの場合、死後行われる。
カトリック教会においては徳と聖性が認められた福者(Beato)が聖人(Saint)の地位にあげられることをいう。
東方正教会にも列聖制度はあるが、福者と聖者を分けることはしない。このため東方教会での列聖は、聖性が認められた信者が聖人の地位にあげられることをいう。
[編集] カトリック教会での列聖
カトリック教会では、生前、その生き方において、徳と聖性を示していたと思われる人に関しては死後、申請が行われることによって列福・列聖調査が始められることがある。調査では、まず地域司教の管轄化で調査が行われ、聖人にふさわしいと判断されてはじめてローマ教皇庁の列聖省での調査が開始される。
列聖においては、その人物の取次ぎによる奇跡(超自然的現象)が必要とされるが、殉教者である場合はその限りではない。こうして厳しい審査を終えて、教会において聖人の位置に加えるのがふさわしいと判断されると、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂において教皇によって列聖が宣言される。すべての聖人はその記念日を持っており、古代の聖人などを除けば、通常は命日がそれにあたっている。福者と違い、聖人は全世界的に祝われる。
日本人の聖人としては豊臣秀吉時代に長崎で殉教した日本二十六聖人のうちの二十人の日本人がいる。
[編集] 東方正教会での列聖
東方正教会では、古代より伝統的に聖人と見なされてきた人々に加え、模範的な信者を聖人と呼ぶことがある。とくに列福・列聖調査のような制度はなく、自治教会以上の教会会議で聖人の位置に加えるのがふさわしいと判断され列聖が宣言されると、その教会の聖人録に乗せられ、自動的に世界的に祝われうることになる。ただし一元的な管理が行われているわけではないため、崇敬には地方ごとに特色があり、それぞれの地方であまり知られていない聖人の祝いは行われないことがある。また礼拝時などに用いる聖人の称号も、地方によって異なることがある。
日本ハリストス正教会はロシア正教会の管轄にあるため、ロシアから伝えられた聖人録に、その後加えられた聖人を随時追加して礼拝などに使用している。日本人の聖人は2004年現在ではおらず、日本の正教会に関係ある聖人には、日本に正教会を伝えた初代日本大主教ニコライ・カサートキン、初代の京都主教でのちロシアに帰り、ロシア革命の際殉教したアンドロニク・ニコリスキーの二人がいる。ニコリスキーの列聖時の正式な称号は「神品致命者・ペルミの大主教・聖アンドロニク」であるが、日本では「京都の主教・聖アンドロニク」と呼ぶ。