出入橋駅
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出入橋駅(でいりばしえき)は、かつて阪神電気鉄道の本線上に存在した駅である。現在の大阪市北区にあった。
[編集] 概要
阪神電気鉄道が、大阪~神戸間で1905年4月に日本初の都市間電車の運行を開始したとき、大阪側のターミナル駅として設けられたのがこの駅であった。もともと、出入橋駅の予定地からやや北東には国鉄の大阪駅があったが、駅の開設時には移転工事が進展していて、駅の開設から間もない7月には完全に移転してしまった。そのため、新しい大阪駅がある梅田界隈とは700m位遠ざかった場所に、駅が位置することになった。
開業時の出入橋駅は、本線が軌道法に基づく路面電車扱いで開業したこともあって、現在の路面電車の終端と同じようにホームの梅田寄りに乗車場、神戸側に降車場が設けられ、乗車場と降車場の間に出発用の本線へ入る分岐器が置かれていた。プラットホームは路面電車規格ということもあってほとんどないに近かったが、電車や駅全体を覆うように巨大な鉄骨の屋根が設置されていた。
しかし阪神では、このような都市部の端っこでは乗客を集めるのに不都合と考え、梅田への延伸を何度も申請した。1906年に、何とか仮線名目で単線の線路を400mほど梅田側に延伸することができ、1914年にそれが複線化され梅田駅の駅舎ができると、出入橋駅は完全に中間駅となった。
しかし1949年、梅田駅や福島駅と近接しているため高速運転の阻害になるとして、廃駅になった。