写譜屋
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写譜屋(しゃふや)とは、楽譜を書く、またはコンピュータなどで楽譜を清書する職業を指す。
「写譜屋」というのは業界用語であり、本来は「浄書業」(じょうしょぎょう)である。
[編集] 仕事内容
- 作曲家が書き下ろした楽譜を丁寧に浄書し、またパート毎に書き起こす。
- 手書きの楽譜をコンピュータできれいに打ち直す。
- 初演作品などには、練習に立会い仕上げた楽譜のチェックを行う。
[編集] 特徴
- 浄書業は会社形態もあれば個人経営と非常に幅広い。浄書業を行う上で必要な技術に、「ソルフェージュ」と「清書」の2大要素が挙げられる。特に清書技術に関しては、演奏者が見やすい、読みやすいということが仕事の需要に直接関わってくる。また、演奏者による浄書の好みが左右されることもある。そのため、特定の取引先の浄書業者が変更されることが非常に少ない。
- オーケストラなどの大編成楽団では浄書業者は奔走する。なぜなら、作曲家が締め切りを遅れて完成させてしまっても、演奏者のスケジュールは変更できない。そのため、業者は大急ぎで写譜を行い、ハァハァ言いながらリハ室へ駆け込む光景が見られるからである。