保安中隊 (陸上自衛隊)
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保安中隊(ほあんちゅうたい)とは、陸上自衛隊の各方面総監直轄の警務科(陸上自衛隊の職種の一種)部隊である(中隊)。
保安中隊は、保安職務(警務官#司法警察職務及び保安職務の意義参照)を主任務としている。そのほかに、方面総監部を訪問する高官等に対する儀仗・栄誉礼・堵列等を行うほか、特に第302保安中隊は日本(陸上自衛隊)を代表して国賓等に対する特別儀仗を担当している。
保安中隊の冠称番号は301番から始まっており、299番以前は存在しない。
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[編集] 第301保安中隊
第301保安中隊とは、北部方面総監直轄の保安中隊である。札幌駐屯地に所在している。
[編集] 第302保安中隊
[編集] 概要
第302保安中隊とは、東部方面総監直轄の保安中隊である。市ヶ谷駐屯地に所在している。外国の国賓の来日等に際しては、第302保安中隊から特別儀仗隊(「仗」が常用漢字に入っていないので、公文書では「特別儀じょう隊」と表記される。)が編成される。特別儀仗に当っては、、陸上自衛隊中央音楽隊が付される。隊員の選抜には基準以上の身長を有し、容姿端麗であることが求められる。
1955年(昭和30年)に創隊された。1957年(昭和32年)以来、陸上自衛隊を代表して特別儀仗を行ってきた。
中隊長、中隊本部、3個小隊からなる。1個小隊は3個班からなる。定員は115名であり、そのうちの101名を以て特別儀仗隊を編成する。その際は特別儀じょう服装をする。
[編集] 沿革
1957年8月27日閣議決定により、陸上自衛隊には「国賓に対し栄誉礼及び儀じょうを行う」任務が付与された。
第302保安中隊による第1回目儀仗実務は昭和32年10月1日に、自衛隊記念日観閲式において、観閲官岸信介内閣総理大臣に対して、明治神宮絵画館前で行われた特別儀仗である。また、国賓に対する第1回目儀仗実務は、昭和32年10月4日に、インド国のジャワハルラール・ネルー首相に対して行われた。
通算儀仗実務第1000回目は、1984年7月8日に、中華人民共和国の張愛萍国防部長に対して、防衛庁庁舎で行われた。通算儀仗実務第1500回目は、1996年2月29日にスウェーデン王国のターゲ・ペッテション国防大臣に対して、防衛庁庁舎で行われた。その後も儀仗実務が重ねられ、第1回儀仗実務から50年後の2005年7月27日に、通算第2000回目の儀仗実務が、小林興起衆議院安全保障委員会委員長に対して、防衛庁庁舎で行われた。1999年、西村眞悟防衛政務次官が失言問題で辞任する際、退任に当たって栄誉礼で送られた事を疑問視する声などが国会議員からあった。
[編集] 第303保安中隊
第303保安中隊とは、西部方面総監直轄の保安中隊である。健軍駐屯地に所在している。
[編集] 第304保安中隊
第304保安中隊とは、中部方面総監直轄の保安中隊である。伊丹駐屯地に所在している。
[編集] 第305保安中隊
第305保安中隊とは、東北方面総監直轄の保安中隊である。仙台駐屯地に所在している。