交響曲第6番 (團伊玖磨)
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日本の作曲家團伊玖磨が作曲した交響曲第6番「HIROSHIMA」は、1985年10月4日に行われた、「平和コンサート2001」にて、作曲家自身の指揮で行われた。
1984年に広島青年会議所平和問題委員会に依頼され作曲に着手して、1985年8月1日に完成した。
「ブルレスケ風交響曲」、未完となった交響曲第7番「邪宗門」を含めれば、8つの交響曲を残した團伊玖磨の、完成した最後の交響曲である。
[編集] この曲について
3楽章制で、演奏時間は50分前後。第3楽章には、ソプラノ独唱が入る。
テキストは、イギリスの詩人エドマンド・チャールズ・ブランデンが、1949年8月6日に書いた詩「HIROSHIMA,A SONG」である。HIROSHIMAの副題は、その為である。
他に、能管と、篠笛が、それぞれ1本ずつオーケストラに組み込まれている。
[編集] 献辞
犠牲者の鎮魂、永遠の平和を願う祈りをこの「HIROSHIMA」に託しているが、広島の人々、広島の美しさなどにも託している。
[編集] 構成
この曲は、交響曲第5番「駿河」(1965年に完成)から20年経った、1985年8月1日に完成した。
- 第1楽章は、
アンダンテ・マ・ノン・トロッポ~アレグロ・リフレッシヴォ、ソナタ形式。最初にアンダンテ・マ・ノン・トロッポの序奏が始まる。序奏が終わると、主部のアレグロ・リフレッシヴォが始まる。やがて現れる第1主題は、他の楽章にも顔を出す重要な主題である。その次は、テネラメンテ(優しく)、ポコ・メノ・モッソというように主題を提示する。コーダ(音楽)は、アンダンテ・マ・ノン・トロッポの序奏が再び現れる。
- 第2楽章
アレグロ・リトミコ、ロンド形式、スケルツォは、広島の風土についての楽章である。スケルツォ部分は、2つの部分から成る。第1トリオの主題はファゴットで提示され、再びスケルツォ部分を挟み、第2トリオが現れる。第2トリオの主題は篠笛で提示される。コーダは第1楽章第1主題を回想する。速度は、グランティオーソ。最終的には、プレストにテンポを上げる。
- 第3楽章は、
アンダンテ・ソステヌート・エ・フューネブレ。冒頭は、低音の主題と、弱々しい篠笛のソロの対話である。やがて、それが終ってポコ・アニマートと交代する。すると、ソプラノが、エドマンド・ブランデンの詩を歌い始める。暫くこの部分は続くが、終ると、コーダが現れる。コーダは、第1楽章第1主題を回想し、力強く曲を締め括る。
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