ヴィルヘルム・レントゲン
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ヴィルヘルム・コンラート・レントゲン(Wilhelm Conrad Röntgen、1845年3月27日 - 1923年2月10日)は、ドイツの物理学者。1895年にX線の発見を報告し、この功績により、1901年、第1回ノーベル物理学賞を受賞した。
1895年11月5日、ヴュルツブルク大学においてクルックス管を用いて陰極線の研究をしていたレントゲンは、シアン化白金バリウムを発光させる放射線の発生に偶然気付く。この放射線は陰極線のように磁気を受けても曲がらないことから、レントゲンは新しい放射線の存在を確信し、これをX線と名付けた。7週間の昼夜を分かたぬ実験の末、同年12月28日には早くも論文を発表する。後年この発見の時何を考えたか質問されたレントゲンは、「考えはしなかった。ただ実験をした」と答えたという。
X線の正体は1912年まで謎のままであったが、透過性の高いX線の発見はただちに医学に応用されたため(X線写真)、この功績に対し1901年最初のノーベル賞が贈られる。その後、科学の発展は万人に寄与すべきであると考えたレントゲンは、X線に関し特許等によって個人的に経済的利益を得ようとは一切せず、1923年ドイツの破滅的インフレの中、無一文でこの世を去る。
彼はX線のことを「レントゲン」と呼ばれることを不快に思っていたらしい。
2004年には、原子番号111の元素に彼の名前にちなんだRöntgenium(日本語名は未確定)という名称がつけられた。
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[編集] 外部リンク
- Wilhelm Conrad Röntgen – Biography - ノーベル財団のサイトにあるレントゲンの伝記。英語。
カテゴリ: ドイツの物理学者 | ノーベル物理学賞受賞者 | 1845年生 | 1923年没