ワン切り
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ワン切り(わんぎり)とは、電話機に呼び出しを1~2回鳴らしてすぐに切り、相手の着信履歴に自分の電話番号を残すための手法。
元々は通話料金の節約の為に、仲間内で予め決めておいた呼び出し音の回数に応じて相手や行動を決めていた一種の暗号的利用にも用いられていたが、現在では下記に述べる様に悪徳目的な利用法の事を言う。
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[編集] 手口
電話機の表示画面には「着信あり」と表示されるため、着信履歴に表示された電話番号に折り返し電話させることを狙って行われる。そして、折り返しの電話に音声ガイダンス等を聞かせ、あたかも高額のサービスに繋いだように見せかけ、指定した口座に振り込ませると言うもの
仕組みは、ワン切り業者がパソコンのプログラムを使用し、無作為に電話をかけてワンコールですぐに切る。そして、それを受けたユーザーが、かかってきた電話に応答。折り返しの電話に音声ガイダンスなどを流すものである。
ツーショットやアダルト系のサービスに繋がり、高額の利用料金が請求されるというのが一般的な見解である。しかし、実際はそのようなサービスに似せたものや、ただの音声ガイダンスに「このガイダンスを聞くと○円かかる」などのメッセージが入ったものも多く一概には言えない。決済手段は指定した口座に振り込ませると言うものであり、振り込め詐欺である。
これらはパソコンとアナログモデムさえあれば、非常に簡単なプログラムを作る事で自動化できるため、1990年代後半に爆発的な流行を見せ、特に不当請求や架空請求(振り込め詐欺)の前駆として知られている。
NTTの専門用語では「機械的不完了呼」と呼ばれ、短時間に大量に発信が行われる結果、電話網の輻輳の原因ともなっており、規則が改正され、ワン切り発信回線の停止や解約が盛り込まれるようになった。それにより件数は減っているものの、依然として無くなるには至っていない。
最近ではNTTドコモの電話番号に対して、テレビ電話発信でのワン切りを行い、契約者がFOMAを利用しているかを確認する行為も行われている。
[編集] 対処方法
ワン切りがあった場合は、着信履歴に残った心当たりのない電話番号には発信しないことである。
また、頻繁なワン切りによる着信音に悩まされる対策としては、着信後数秒経過してから着信音を鳴らす(ワン切り着信中の状態では着信音が鳴らない)ための着メロデータをダウンロードしたり、着信音量を徐々に音量が大きくなるステップトーンに設定する方法もある。
近年では、携帯電話類の高機能化に伴い、特定の電話番号に対して自動的に応答する機能も搭載された機種も多いため、集団で待ち伏せと称してワン切り業者の電話番号を設定、業者からの着信にゼロコールで自動応答させる事により、ワン切り業者に累計的に莫大な電話料金を発生させようという消費者間の運動もあり、これらも同業態に対して多少なりとも打撃を与えているとされている。
ワン切り業者リストの作成・公開は、本当に業者であると特定し、その証拠がない限りはやらないほうが賢明である。これは、本当にワン切り業者なのかがわからず、万が一違った場合個人情報保護法などにより罰せられるからである。実際、業者のものではない番号がリストにのっていたこともある。
公的に推奨されている対応としては以下の通りである。
- 知らない電話番号・覚えの無い着信履歴には電話をかけない
- 相手を確認する場合は、ダイヤル前に184(日本の場合)を付け、番号非通知でかけるか、公衆電話等から確認する
- 誤ってかけてしまった場合、利用者の意思に反して有料サービスに誘導された場合の料金請求は無効である。
- 利用者とワン切り業者の間で有料サービスを利用するという意思の合致がないため、有料サービスに関する契約が成立していないからである。
- もし請求を受けた場合は最寄の国民生活センターか弁護士に相談する
- 脅迫的な言動(暴力団に取立てを依頼するなどの内容)を受けた場合は、警察への相談も勧められている。