ローレンス・バークレー国立研究所
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ローレンス・バークレー国立研究所(ローレンス・バークレーこくりつけんきゅうじょ、英名 Ernest Orlando Lawrence Berkeley National Laboratory、略称:LBLまたはLBNL)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州にある米国エネルギー省(英名、Department of Energy, 略名 DOE)の研究所。単にバークレー研究所、バークレーラボとも。 LBLは、物理、化学、生物学、コンピュータ・サイエンス、新規なエネルギー、ナノテクノロジー、環境工学、量的生物学などの広い分野にわたって研究を行っている。
運営は米国エネルギー省が直接行っているのではなく、カリフォルニア大学(University of California, 略してUC)が代行している。またUCの所有地内に設置されているが、UCの付属研究所ではなく独立した組織である。
現在の所長(Lab Director)は1997年にノーベル物理学賞を受賞したスティーブン・チュウ(Steven Chu)である。
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[編集] 所在地
1 Cyclotron Road, Berkeley, CA 94720, USA
カリフォルニア大学バークリー校の東側の山の斜面に位置する。研究所の多くの建物からは、アルバニー、バークリー、オークランドなどの町が一望でき、また対岸のサンフランシスコ及びゴールデンゲートブリッジ(金門橋)を見ることができる。
山中の研究所らしく、敷地内は動植物が豊富である。季節や時間にもよるが、シカ、七面鳥、スカンク、アライグマには比較的日常的に遭遇に可能である。まれにピューマ(Mountain Lion)目撃情報も報告される。
その他、隣接施設として、カリフォルニア大学バークリー校植物園やLawrence Hall of Scienceなど。 なお、一部施設は下記の通り近郊に所在する。
- Joint Genome Institute Production Genomics Facility
(2800 Mitchell Drive, Walnut Creek, CA 94598)
- The Berkeley West Biocenter
(717 Potter Street, Berkeley, CA 94710)
[編集] 歴史
1931年にアーネスト・オーランド・ローレンス(Ernest Orlando Lawrence)がバークリー校のキャンパスの中に作った放射線研究所(Radiation Laboratory)が前身である。1940年に現在の場所に移動。第二次世界大戦中及びその後1950年までは、マンハッタン計画などの国家機密に関する研究にも関わったが、現在そのような研究は行っていない。
[編集] 研究部門
- 加速器・核融合研究(Accelerator and Fusion Research Division)
- 改良型放射光施設(Advanced Light Source)
- 化学(Chemical Science)
- 計算研究(Computational Research Division)、ソフトウエアの開発、応用数学など
- コンピュータ科学(Computing Science Division)、コンピュータのハードウエアの発展に関する研究
- 地球科学(Earth Sciences Division)
- エンジニアリング(Engineering Division)
- 環境・健康・安全部門(Environment, Health and Safety Division)
- エネルギー技術及び環境への影響に関する部門(Environmental Energy Technologies Division)
- ゲノミクス(Genomics Division)、遺伝子の構造・機能の解析
- 情報技術及びサービス(Information Technologies and Services Division)
- 共同遺伝子研究機関(Joint Genome Institute)
- ライフサイエンス(Life Sciences Division)
- 材料科学(Materials Sciences Division)
- エネルギー研究の為の科学的コンピュータ・センター(National Energy Research Scientific Computing Center (NERSC))
- 原子核科学(Nuclear Science Division)
- 生物物理学(Physical Biosciences Division)
- 物理学(Physics Division)
[編集] ノーベル賞受賞者
物理学賞、化学賞を十人の科学者が受賞している。
- 1939年 物理学賞、アーネスト・オーランド・ローレンス(Ernest Orlando Lawrence)
- サイクロトロンの発明・開発及びその成果、特に人工の放射性元素に関する研究
- 超ウラン元素の発見
- 1959年 物理学賞、オーウェン・チェンバレン(Owen Chamberlain)とエミリオ・セグレ(Emilio G. Segre)
- 反陽子の発見
- 1960年 物理学賞、ドナルド・A・グレイザー(Donald A. Glaser)
- 泡箱の発明
- 1961年 化学賞、メルヴィン・カルヴィン(Melvin Calvin)
- 1968年 物理学賞、ルイ・W・アルヴァレ(Luis W. Alvarez)
- 素粒子物理学への非常な貢献 - 水素泡箱を用いた技術とそのデータ解析の発展に関して
- 1986年 化学賞、ユアン・T・リー(Yuan T. Lee)
- 化学研究の新たな分野についての発展への貢献 - 動力学
- 1997年 物理学賞、スティーブン・チュウ(Steven Chu)
[編集] 外部リンク
- Lawrence Berkeley National Laboratory(英語版)
- Lawrence Hall of Science(英語版)
- The University of California Botanical Garden(英語版)
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