メリュジーヌ
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メリュジーヌ (Melusine) は、フランスの伝承に登場する蛇女で一種の異類神婚伝説の女主人公。
ある領主の下に美女の姿で現れて求婚し、妻となって後は彼を助けるが「日曜日に必ず沐浴するので、決して覗かないこと」という誓約を夫に破られ正体を明かされる。部屋に一人閉じこもっていた彼女の姿は上半身こそ人間だったが、下半身は巨大な蛇になっていたのだった。
実は、彼女はもともと妖精の姫君であったが、姉妹と結託して母親を陥れようとしたために呪いを受け追放され、人間の男の愛を得れば呪いが解けると聞かされて領主に近づいたのであった。
領主は彼女が人間でないことを知ってからも妻とし続けたが、二人の間に生まれた気性の荒い異形の息子達が町で殺人を犯したと聞いて激昂し、息子達の性格上の欠陥の原因を彼女の正体のせいだと罵り「化け物女」と罵倒したため、自尊心を傷つけられた彼女は正体を現し、教会の塔を打ち壊して行方をくらます。