ミンボーの女
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ミンボーの女(みんぼーのおんな)は、1991年度公開の日本映画。配給・東宝。監督と脚本は、伊丹十三。ヤクザの民事介入暴力(略称:民暴)をテーマとする作品。この作品を公開した直後に、監督の伊丹十三は自宅の近くで刃物を持った五人組に襲撃され、顔などに全治三ヶ月の重傷を負うが、「私はくじけない。映画で自由を貫く。」と宣言した。宣伝映像では、監督が入れ墨メイクを背中に施して登場し、「伊丹式ヤクザ映画」を標榜。
本作品の舞台は東京にあるホテル「ホテル・ヨーロッパ」という設定だが、撮影は当時開業前だった長崎県のハウステンボス内のホテル・ヨーロッパで行われた。
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[編集] ストーリー
ヤクザにゆすられ続けるホテル・ヨーロッパ。ヤクザの脅しに屈して簡単に金を出してしまう体質から日本中のヤクザが引っ切り無しに訪れるようになり、危機管理の甘さを露呈し、サミットの招致も断られてしまう。そういった状況を打開すべく、経理部の鈴木勇気、ベルボーイの若杉太郎の二人がヤクザへの対応を任されることになる。しかし、何の知識もない二人はヤクザを追い出すどころか火に油を注ぐ結果となり、ますますヤクザの恐喝を悪化させてしまう。堪りかねたホテルの幹部はついに外部からプロを雇うことになる。それが民事介入暴力(「民暴」)を専門とする弁護士、井上まひるであった。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
井上はヤクザ相手に経験と法律の知識を武器に堂々と立ち向かい、鈴木と若杉に「ヤクザを怖がらない」ことを教える。そんな中、総支配人はゴルフ場で知り合った入内島という男に誘われるがまま賭けゴルフをしてしまう。しかし実は、入内島はヤクザ組織の中心人物であり、賭けゴルフをきっかけとして総支配人にスキャンダルの罠を仕掛ける。なかなか脅迫に屈しないホテルに対して入内島は街宣車を送り込む等の嫌がらせを行う。それに対して井上は裁判所に不作為の申請をする等、一歩も引かず対処するが、ヤクザの「鉄砲玉」によって腹部を刺され重傷を負う。
井上が病院で生死の境にあるとき、入内島らヤクザは彼女の不在を幸いとして大挙してホテルに乗り込んでくる。井上なしで交渉に臨む鈴木と若杉、総支配人であったが、既に彼らは以前の三人ではなく、決して脅しに屈することなく、逆に恐喝の言質を取ることに成功する。恐喝の現行犯でヤクザたちは待機していた警官隊に一網打尽に逮捕された。
回復し杖をつきながらもホテルを訪れる井上。そこにヤクザの大親分が大勢の手下を連れてロビーへ入ってくる。鈴木とホテルの従業員たちは一団となって宿泊を断る。すると大親分は薄笑いを浮かべた後、手下を連れてそのまま帰っていく。
[編集] キャスト
- 井上まひる - 宮本信子
- 総支配人 - 宝田明
- 鈴木勇気 - 大地康雄
- 若杉太郎 - 村田雄浩
- プールの老人 - 大滝秀治
- フロント課長 - 三谷昇
- 総支配人夫人 - 結城美栄子
- 総支配人の娘 - 櫻井淳子
- 総支配人秘書 - 関弘子
- 経理部長 - 鶴田忍
- 百万ドルの笑顔 - 三宅裕司
- 入内島 - 伊東四朗
- 伊場木 - 中尾彬
- 花岡 - 小松方正
- 若頭 - 我王銀次
- 鉄砲玉 - 柳葉敏郎
- 大親分 - 田中明夫
- 大親分 - 関山耕司
- プールのヤクザ - ガッツ石松
- ロビーのヤクザ - 流山児祥
- ロビーのヤクザ - 六平直政
- 伊場木の子分 - 不破万作
- 入内島の子分 - 上田耕一
- 入内島の子分 - 小木茂光
- 花岡の子分 - 睦五郎
- 指をつめられる男 - 加藤善博
- アケミ - 朝岡実嶺
- 明智刑事 - 渡辺哲
- 裁判長 - 矢崎滋
- 外務省の友人 - 津川雅彦
- ゴルフ連れの社長 - 柳生博
- 保健所長 - 佐古雅誉
- おどかされる男 - きたろう
- 外科医 - 秋間登
[編集] DVD
ジェネオンエンタテインメントから2005年2月に限定版の「伊丹十三コレクション たたかうオンナBOX」に組み込まれて発売、追って2005年8月にメイキングDVD「ミンボーなんて怖くない」と同時に単品でリリースされている。