ミクロコスモス (将棋)
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ミクロコスモスは詰将棋の題名。1525手詰みであり、2006年1月1日現在、最長手数の詰将棋である。
この作品は、1986年に橋本孝治が詰将棋パラダイス誌に発表した。出題当時は1519手詰みであったが、その後、1995年に発行された『詰将棋探検隊』上で手数を伸ばした1525手詰みの改良図が発表された。新しい繰り返し趣向として香車の位置が横に動いていく趣向が用いられている。これは香車を持ち駒にさせ打たせることで実現させている。
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[編集] 長手数の要因
ミクロコスモスが1000手を越えた要因として、多くの長手数のための趣向を組み合わせたことが上げられる。具体的には以下のようなものが使用されている。
- 駒位置変換
- 盤上の駒を取り、玉方に取らせて別の場所に打たせる。この一連の手順により、盤上の駒が(通常なら動けない位置に)移動する。
- 持ち駒変換
- 空き王手などを利用し合駒などを取ることによって、持ち駒を変える手順。この作品では、歩又は香車を桂馬に変換している。
- 知恵の輪
- 千日手を含む手順を利用して、局面を少しずつ変えていく手順。この作品では、並んだと金を利用して駒位置変換に適した位置に玉を誘導するために使用されている。
- 馬鋸
- 馬を(鋸の歯の様に)ジグザグに動かしていく手順。この作品において、上の三つの趣向はすべてこの馬鋸のために行われている。
[編集] イオニゼーション
橋本はミクロコスモスの発表の半年前に、『イオニゼーション』という作品(789手詰め)を発表している。ミクロコスモスに使用されている「知恵の輪」+「駒位置変換」の機構はこの作品で最初に使用された。
[編集] 参考文献
- 角建逸著『詰将棋探検隊』(毎日コミュニケーションズ刊) ISBN 4-89563-647-X
- 『将棋世界』2006年2月号付録『ミクロコスモスの世界』
[編集] 外部リンク
- 橋本孝治 普通詰将棋作品集 第18番(ミクロコスモスの詰め手順が動画(Javaアプレット)で確認できる)
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