マックスコーヒー
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マックスコーヒー(MAX COFFEE)は利根コカ・コーラボトリングが販売している缶コーヒーの商品名。正式名称は「ジョージア・マックスコーヒー」。
原料のうち乳成分に多量の練乳を使用しており、他の缶コーヒーと比べると極端に甘みが濃厚で、カフェ・オ・レにも近い味がするのが特徴。その非常に個性的な味ゆえに熱烈なファンを生む一方、「甘ったるい」として敬遠する人もおり、好き嫌いの分かれる缶飲料である。
かつては茨城県・千葉県を中心とした地域で限定して販売されていた商品で、これらの地域の名物缶コーヒーであったが、近年は販売地域が広がっている。
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[編集] 販売地域
他にも2006年7月から23区内をはじめ東京都内でも順次販売を開始した他、岩手県・秋田県・福島県・群馬県・埼玉県・新潟県・静岡県等の一部地域でも販売されている。なお、通信販売などを利用すれば上記以外の地域でも購入できる。販売エリアの拡大については、略史を参照。
[編集] 略史
日本での飲料市場での缶コーヒーの伸張と製品開発を求めるボトラーに対して、米国コカ・コーラ本社は自社の炭酸飲料との競合を恐れて消極的であった。そのため独自ブランドとして発売されたいきさつを持つ。
- 1975年(昭和50年)6月16日 日本におけるコカ・コーラのボトラーの一社・利根コカ・コーラボトリングの関連会社である利根ソフトドリンク(現:イトシア)が、日本果実工業(山口県)にて委託製造開始。販売エリアは、茨城県・千葉県・埼玉県。
- 1978年(昭和53年)9月6日 販売地域が栃木県に広がる。
- 1983年(昭和58年) 利根コカ・コーラ茨城工場で自社製造開始。
- 1991年(平成3年)4月15日 発売元が利根コカ・コーラボトリングに移り、それに伴いコカ・コーラの全国ブランド『ジョージア』に組み込まれ「ジョージア・マックスコーヒー」となる。
- 2001年(平成13年) 利根コカ・コーラが製造部門をコカ・コーライーストジャパンプロダクツへ譲渡する。
- 2005年(平成17年) デザインがリニューアルされる。
- 2005年(平成17年) 5種類の復刻バージョンが発売される。
- 2006年(平成18年) 繁華街を中心に東京都内での発売が始まる。また、鉄道駅・その周辺でも多く見られる。同年10月には缶デザインがリニューアルされ、ウェーブラインが復活した。また、千葉・茨城・栃木のコンビニエンスストアでは280mlペットボトル入りの「マックスコーヒーX」がホット専用商品として発売。
利根コカ・コーラ・ボトリングによる統合前は、同じコカ・コーラの自動販売機にジョージアのマックスコーヒーが並べて販売されていた。
[編集] マックスコーヒーと常総
常総(茨城県と千葉県、ちばらき)の風土における点景として定着した商品であるため、映画「木更津キャッツアイ」や漫画「ヨコハマ買い出し紀行」「幕張サボテンキャンパス」「ササキ様に願いを」でも取り上げられたことがあり、「チバラキコーヒー」という俗称もある。
かつてTVCM(千葉テレビ放送のみで放送)には、デビューして間もない頃の森川美穂が出演し、千葉県のラジオ局、bayfmでは「MAX COFFEE BAY KID STREET」という番組も存在した。
上記「木更津キャッツアイ 日本シリーズ」では、ヤマクラさんなる人物が無人島にマックスコーヒーを持ってきた設定になっており、これに対して主人公がヤマクラさんを千葉県の人であると断定しているシーンがある。マックスコーヒーの販売エリアを考慮すると、ヤマクラさんは茨城県の人である可能性は捨てきれないのだが、この可能性に関しては一切考慮されていない。このシーンは、千葉県における「マックスコーヒー=千葉県」という非常に強いイメージを反映したシーンであると言える。
逆に茨城県では、「マックスコーヒー=茨城県」という概念が存在する(下記リンク「マックスコーヒー物語(イバラキング)」参照)。
その一方で、マックスコーヒーはジョージア・ブランドの一つとして販売されていることから、茨城県や千葉県で生まれ育った者の中には、全国的に販売されている商品であると誤解している者も多い。そのため、県外に住みはじめて初めて地域限定の商品だという事実を知り、カルチャーショックを受ける者もいる。なお、マックスコーヒーが販売されている地域では、ジョージアオリジナルと差し替えられていることもあるため、オリジナルの存在を知らない者もいる。